In the house

「はい、練習はここまで。あとは明日。気をつけて帰るんだぞみんな。」
「分かってますってば、先生。」
使った的や弾薬を片付けて、みんな帰る支度をする。

「そういえば、ケイレブはいつもどうやって帰ってるの?こんな夜遅くに…」
ホルスターの中にPara-14を入れながらコウタは俺に質問した。
「迎えだよ。」
「迎え?君の家族はフィラデルフィアにいるんじゃなかった?」
「お前らに紹介したことあったっけ?カエルのこと?」
「カ、カエル?」
そのとき俺のケータイにメールが来た。
《今着いたぞ!》
「こいつだ。こいつがそのカエル…」
コウタに写真を見せた。
「ゲッコウガか…この学校の子じゃないね。」
「学校も何もこいつ42だぜ。おっさんだよ、オッサン…」
「えぇ…!?全然見えないよ。」
「っていうか、お前らは何で来てんの?」
「この間のクソ医者のランボルギーニだよ。ティアが運転してくれるんだ。ユウキはキャデラックで来てるよ。彼女のフローゼルとね。」
「そこ2人、何か言ったか?」
「何も…」

顧問の高山先生はティアの乗りこなすランボルギーニに度肝をぬかれたようだった。
「ランボルギーニ……か…」
「やっぱ、そうなりますよね、先生…」
俺とユウキは先生と同じく目が点だった。
ユウキも車に乗ってエンジンをかけた。
「今日も疲れたわね…」
「全くだ。…明日世界史のテストかよ……」
「私が教えてあげるわ。」
「ありがとう…」
ユウキたちが帰った後、俺はカエルのオッサンの運転する車に乗った。

「どうした?元気ないな…」
「明日テストなんだよ。合格できなかったら食われるんだ。」
「おー怖い、怖い…」
「じーさんは何も用事ないのか?この後…」
「皿洗い…ぐらいだ…それとじーさんじゃなく、オッサンって呼べ。」
家に着いて、オートロックを解除したとき、変な気配を感じた。
「よせ…何かいる…」
元警官だからだろうか、ゲッコウガが俺を止めた。
「2階の窓で何か動いた。」
俺はホルスターから92fsを取り出した。
「地下から入るぞ…」
地下には誰もいなかった。
家の中は電気がついていた。
ゲッコウガはクローゼットからHK416を出してきた。
「マガジンは?」
「一番左だ。」
サプレッサーを着けて部屋を見に行った。


動きのあった部屋のドアを開けようとしたとき、ガサガサと音がした。
3…2…1…
「動くな…」
「え!?…」
俺の首に冷たい刃物のようなものが突き付けられていた。
「銃を捨てろ。さもなくば、このガキを殺すぞ。」
オッサンは言われた通りにした。
「貴様もだ、ガキ。」
拳銃を床に落とそうとした。
拳銃が床につく寸前でそれを掴んでかがみこみ、犯人の黒い脚を撃った。
しかし、奥へ逃げてしまった。
ガチャ
「伏せろ、ガキ!」
パスン パスン パスン…
「ちっ…逃げ足の速い奴だ…」
「ガキって呼ぶな!」
「お前の後ろの部屋にバクフーンが隠れてやがったぜ。ちっとは見直したか?」
「少しだけ…ベトナム戦争化しそうだな。(泥沼化しそうだ。)」
俺はリビングのソファーの下からtar-21を取り出し、カエルのオッサンは黒い92fsを食器棚の奥から取り出した。
「オッサンの警官にベレッタって…ダイハードのマクレーン警部かよ。」
「若い頃は好きだったぞ。言っちゃ悪いが、それに憧れて警官になったんだ。」
「変な共通点があることであるよ。」

オッサンはゾロアークを俺はバクフーンを始末することになった。

「ここは銀行じゃねー。わかったらさっさと失せな!」
「俺らの目的は金じゃねぇんだよ、坊主。」
「俺はこんなことしてる暇ねぇんだよ。明日のテストに合格しなきゃいかん。」
「へへへ…不合格にはならないぜ。まぁ、合格もできねーけどな。」
「…面白くない冗談だ…」
耳を澄まして何処にいるか割り出そうとした。
(2階から見下ろしているのか…)
ズダンッ
銃声の後、肩に血が垂れた。

2階に上がると…バクフーンは倒れてはいなかった。
「隠れたって無駄だぜ。」
血痕はクローゼットへと続いていた。
ガチャ
「見っけ!……何処行きやがった⁉」
ジュルリ
背後で舌舐めずりする音が聞こえた。
「鬼ごっこの鬼は…俺になっちまったぜ…坊主…」
ライフルを構えて引き金を引いた。
だが、奴はそれを避ける。
カチ カチ…
「空になっちまったのかぁ?…」
バクフーンは嘲笑うような声を上げる。

奴らの目的がやっとわかった気がした。
最近、ニュースの話題を独占しつつある連続捕食事件の犯人だろうか…
《コイツは俺を喰おうとしているのか⁈》
一か八か…
ベッドの下に入った。
「バレバレだぜ坊主…」
バクフーンはベッドの上に乗って体重をかける。
(引っかかったな!)
俺はホルスターから92fsを抜いて凹んでいる部分に突き付けた。
「永遠にベッドで眠ってな!」
ホールドオープンするまで撃ち込んだ。
新しい弾倉を入れて出てみた。
そこには、血塗れのバクフーンが立っていた。
「幸運にも急所は外れてたぜ。」
「不幸だよ!」
「お前はなかなか骨のある奴だな。俺も本気を出させてもらうぞ。」
「外でやりたい。これ以上家を壊したくないんでね。」
俺はドアを開けて部屋の外に出た。
「へへ、もらったぜ!」
(しまった‼‼)
ガシッ
(敵に背を向ける=死を覚悟する)
あっさりとバクフーン に捕まってしまった。
「ちょうどよく引き締まって美味そうだなぁ。」
「やっぱり俺を食うつもりだったのか?」
ベロォ
「決まってるだろ…なかなか俺好みの味だ。」
ベロ ベロ
「臭ぇ…」
俺は奴の涎や顔の目の前でつかれる息の臭いに悪態をついた。
「お前を始末したあと、うざったいゲッコウガも片付けないといけないんでな……そんなわけで…」
はぐ あむっ
炎タイプだけあって口の中は蒸し風呂のようだ。
ごくん
唾液とともに呑み下されてしまった。

〜〜〜
その頃ゲッコウガは…
カチャ
「最後のマガジンだ……あの野郎何処行きやがった?」
すると、ケイレブが出てきた。
「バクフーンは?」
「始末したさ。」
「明日、数学のテストなんだろう。少しでも勉強しとけ。」
「ゾロアークは倒したのか?」
「今すぐに…向こうから出てくるさ…だろ?」
パスン パスン パスン…
ケイレブの姿がゾロアークへと変わった。
「取り調べ専門だぜ、俺は。奴が受けるのは世界史のテストだ。」
「へへ、に、人間のガキは相棒が片付けたぜ…」
「何⁉」
ゲッコウガは急いで2階に上がった。
「待ってろ!今助ける!」
一室だけ鍵のかかった部屋を見つけて、ストックでドアノブを破壊した。

「Freeze! Don’t move!」
ゲッコウガはライフルをバクフーンに突き付けた。
「とっとと、ガキを吐き出せ!」
水タイプと鉛の攻撃に怯えたのか、腹の膨らみが口へと移動していた。
ぐしょ
吐き出されたと同時にケイレブは銃を構えて引き金を引いた。

爆音に支配された部屋が静まり返り、ケイレブの銃からは煙が上がりホールドオープンしていた。
バクフーンはその場に音を立てて倒れた。
「もういい…渡すんだ…」
ケイレブは肩で息を吸っていた。
弾は胸を撃ち抜いていた。

〜〜〜
「警察に電話する?」
「そうだな。」
俺は携帯電話で警察に電話をかけた。
オッサンは下に降りた。
「何処行った⁉」
そこに、1人の警官が駆けつけた。
(電話してからまだ3分も経ってない…コイツは……?)
「こんばんは、どうなさいました?」
「早いな。えっと…」
「伏せろ、ケイレブ‼」
オッサンが叫んだ。
伏せる瞬間、警官がホルスターから拳銃を出しているのが目に入った。
ズダンッ ズダンッ ズダンッ…
警官が安全装置を外すのよりオッサンが警官の脚を撃ち抜く方が早かった。
俺は警官から拳銃を奪った。
警官の姿はゾロアークへと変わった。
「警官に化けるとかターミネーターかよ。」
しばらくして警察が来た。

翌日
「全然勉強してねー‼」
無事テストを終えて、無事喰われた…




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