連載小説
[TOP] [目次]
食われた人の辿る道
「う〜・・・」
「どうしたの千奈?」
「別に!なんでもない・・・」
何か隠してるよね
グウー・・・
ぼ、僕じゃないからね!?
「お腹すいたぁ〜・・・」
それを隠してたのかー。僕朝御飯食べたもん
「都合良くそこら辺に食べ物が・・・ん?あれって人間?しかも運良く人間の子供!?」
運良くってまさか・・・
「セチア!良い?今日は化け猫の狩りの勉強をするわよ!決してお腹が空いて食べたい分けじゃないわよ?」
セチア!?
「セチアって誰?」
「?決まってるじゃない。あなたのセカンドよ」
そっか、僕も化け猫になったからセカンドで
「いつの間にセカンドが?それに千奈は僕をセカンドで呼ぶの?」
「私が決めたのよ?ポインセチアって言う花を思い出したのよ。それとあなたの事セカンドで呼ぶ、だからセチアも私をレリアって呼びなさい」
この前セカンドで呼ぶなって・・・ま、いいか。僕の名前が花ならきっとレリアは
「花の名前なの?」
「ストレリチア、花よ。花言葉は・・・」
「花言葉は?」
レリアは化け猫になり走って人間の子供に襲いかかった。
「後で教えるわ(花言葉が飾った恋なんて言えるわけないでしょ!)」
「ひぃっ!な、なに、化け物!?」
「まあ、正解よね。正解したご褒美として・・・あなたを優しく食べてあげるわ♪」


#レリアに襲われた子供から見たら#

町の外で花を持って帰ろうとして迷っちゃったうえにこんな怪物に会ってしまうなんて!!
「あなたを優しく食べてあげるわ♪」
もう助からない・・・オイラは目を閉じて目の前を見ないようにした。
「ほらほら、駄目だよ?ちゃんと今から行く所を見なきゃ♪」
ペロリ、
「うわっ!」
目蓋を舐められ思わず目を開けてしまう。
「行く所・・・!やだ、離して!」
「駄目、諦めなさいよー」
さっき目蓋を舐めたように綺麗なピンクをした舌に頬や首を舐められる
ピチャッ、ペチャッ・・・
体に怪物の唾液が残る。暴れても嘆いてもオイラの体を押し倒している手は動かない。
ニュルリ、グルグル・・・
オイラの体に怪物の綺麗なピンクの舌が二重に巻き付きオイラを持ち上げる。そして・・・
(ほらほら外の景色を見るのも最後なんだから、ちゃんと見なさいよ♪)
頭に響く声。化け物だから魔法とか使えるんだろうな・・・
オイラは今からあの口の中に入れられてしまうのか、
「止めてくれぇ!オイラ美味しくないって!」
(そんな事はないわ、美味しすぎて噛み砕きたいもの♪)
その声が頭に響いた直後、スルリと二重に巻き付いていた舌が離れて・・・
パックン!
口という牢獄に放り込まれた。
俺は慌てて閉じられた牢獄の扉、牙を叩くが聞こえるのは唾液の音だけ
ペロリ!ジュルジュル・・・ネトッ
「ひゅぅ!?」
思わず変な声が出てしまう。舌がオイラを歓迎してくる。
狭い口という空間で舌はウネウネとオイラをどう遊んでやろうかと考えている。そして思いついたかのように舌が轟く。舌は、口のあちこちで唾液を集めてその中にオイラ・・・ではなく舌自らが入った。
「な、何だ?」
ドロドロォ、ネトネトォ、グルッ!
舌が急に唾液から出てきてオイラに巻き付く。今度は二重ではないから余裕・・・かと思いきや
「あ、あれっ?舌がツルツルで力が入れれないぞ!?」
舌の表面が唾液でコーティングされているおかげで舌に手をかけ力を入れても滑ってしまう
ニュルン、チュルン!ウニュ、ウニュ、ウニュ
「はひっ!ドロッとしてる!?」
舌の先の方でオイラをくすぐったり、そのまま吸い付いたり、巻き付いた舌全体でオイラを揉む。最初舐められた時とは全く違い、今は言葉では現せないほどドロドロしている
「味が出なくなるまでここにいてね♪味が出なくなっても胃袋で可愛がってあげる♪」
どちらも嫌だ!味が出なくなるまでってさっきみたいにドロドロの舌に延々と舐め回される。味が無くなれば胃袋でトロトロに・・・
「もうやだっ!出してぇっ!」
ニュルニュル、ネバッ、ジュルリッ・・・ヌメヌメ・・・ネトネト・・・

もうオイラこの怪物の唾液と見間違われるんじゃないかと思うほどドロッドロ!
「さて、胃袋へいらっしゃーい!」
舌がオイラを喉の方に流し込もうとする
「いやっ!死んじゃう!出し・・・」
ゴックン!
「セチア、そろそろ行くわよ!」
近くでこの怪物の仲間が見ていたのか。
どこを見てもピンク、ピンク、ピンク・・・。圧迫されながら進む細い道。食堂の壁は暖かく、正直言うと極楽。感覚がおかしくなってしまったのだろうか

ドップン・・・
広い空間にオイラが収まった。オイラしか居ない何もなく、あるのは肉の壁。沢山の肉を消化して自分の物にした肉。それにオイラもなりそうなのだ
こんなただの肉でできた袋に殺されてたまるか!
(じっとしてれば楽で気持ちいいわよ?)
モミモミ、ムニムニ、ムニュッ、ムニュッ
肉の壁のマッサージ。柔らかい、暖かい。ヌルヌルとネトネトが安心感をくれる。そして怪物は今、歩いている。揺れ加減が良くて眠くなるや・・・
(この揉み気持ち悪い?出たい?)
突如聞こえた怪物の声
「当たり前だ!出して!こんな場所いたく・・・ない」
『ない』という言葉が難しく感じられた
(そっか・・・まだ練習がたりないのね・・・わかったわ)
「出してくれるの!?」
希望が膨らんだ、が
(ん?あなたで練習するのよ?気持ちいい胃袋揉み)
希望の膨らみは風船の空気を抜いたようにしぼんだ。
と、突然肉の壁から液が出てきた。
「と、溶ける!!」
(胃唾液よ、溶けないわ)
それがどんどんと溜まっていき・・・腰の辺りまで溜まった。
ジャブッ、ムニュウ。ジャボン、グジュウッ
「ふにゅ・・・あふ・・・」
(成功ね!)
ドロン、ヌトヌト・・・ヌルヌル・・・
もう、このままずっとここで居るのもいいんじゃないかな?
ジュウゥッ
(消化が始まった。ありがとうね♪)
「えぇっ!や、やだ!」
胃袋の壁を押し退けて逃げようとしたが体は疲れて動かない。
タラッ、ポタッ、ポタッ・・・
「わぅ・・・痛くない」
胃液が体に降り注いだ。しかし痛くはなく唾液などよりも体を包み込む。そんな極上な歓迎のなか、オイラは寝てしまった。暖かい胃袋の壁に包まれて・・・


#戻ってセチア&レリア#
「消化しちゃったの?」
「ええ、動きにくいんだもの。美味しかったわ、あの子供♪」
レリアの食べた子供、消化痛くなかったのかな?ま、いいや
「ねえ、セチア・・・あなたのセカンドさ、誰にも呼ばれないようにしてくれる?私もセチア以外には呼ばせない」
「二人の特別な呼び名にするって事だね!ところでレリア、名前の花の花言葉って・・・」
「あら、セチアも消化してほしいのかしら?跡形もなくトロットロにしてあげるわ♪」
「ごめんなさい、許してください」
流石に「どうぞ、してください」なんて言えない。(というかなんで僕があやまなきゃだめなんだ)
「ほら、これよヒルンの塔は」
高っ!この最上階にヒルンが・・・でも、レリアとなら行ける気がする♪がんばるぞーぉ!
13/12/05 22:52更新 / イル
戻る 次へ
■作者メッセージ
文字数いつもより多めになっちゃいました

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b