連載小説
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胃と肉壁と
ウサギは狭くて窮屈な食道の中に押し込まれるように入り、肉壁にもまれながら下へと降りていく。
ヌルヌルとした体液が、下に降りていく動きを補助してくる。
ゆっくりと、確実に体は胃に向けて送られていき、それと同時にケモノ臭いにおいが漂ってくる。
「う…臭い…」
ウサギは臭いをまともに嗅いでしまい、顔をそむける。
そうこうしているうちに体は胃の中にドブンッと音を立てて落ちてしまい、狭苦しい胃袋の中に押し込まれた。
胃の中はとても蒸し暑く、ただいるだけで汗をかく。
そのうえ、ケモノ臭いにおいが胃の中いっぱいに立ち込めており、嗅覚が刺激され続ける。
ウサギはただ前を見つめ、怪しく蠢く胃壁を眺めている。
「どうかな、僕の胃の中は…」
急に自分を呑み込んだ獣人からの問いかけが耳に届き、ウサギは耳をぴくっとさせた。
「うーん…そうねぇ、まあまあかしらね」
彼女は素っ気ないような声で答えを返す。
その答えを聞いた彼は、膨らんだお腹を撫でながら、
「なるほど、まぁまぁかぁ」
と、興味なさげな反応をする。
「さて、そろそろマッサージの時間だね」
彼はそう言うと、膨らんだお腹をゆっくりと優しく撫でまわしたり、時には激しく揉んだりして、胃袋を刺激し始めた。
それにつられるかのように胃袋も、ゆっくり動き出し、ウサギを優しく揉み始める。
「ん…いきなり何…?」
少し眠りかけていてうとうとしていたウサギは、胃のゆっくりとした動きに反応し、起き上がる。
眠気が残る中、彼女は胃壁にもみくちゃにされ、少し混乱しかけていた。
それと同時に、しばらくはここに居たいなという考えが、脳の中に構築されていく。
しばらく胃壁に遊ばれているうちに、体は体液でヌルヌルになってしまい、立つことが困難になった。
このまま胃液が出てくれば、彼女は逃れられないで消化されてしまうだろう、しかし彼女は、そんなことも気にかけることはなく、むしろくつろいでいる。
そのままウサギは胃袋の中でまどろみ始め、やがては眠ってしまう。
その後、眠ったのを確認した彼は、フフッと軽く笑うと、その場に横になり、こちらも眠り始める。
しばらく時間がたち、獣人のほうが先に起きる。
「ふぁぁ…よく寝たなぁ…」
お腹は眠る前と変わっているところはなく、大きく膨らんでいる。
そろそろ吐き出してあげようかなと考えた獣人は、再び首を上にあげる。
すると、お腹にあった膨らみは喉に移動し、そのまま口から吐き出された。
体液でベトベトのウサギは、ゆっくりと目を覚まし、辺りを眺める。
「…吐き出してくれたんだ」
と、彼女は言うと
「当たり前だよ、フフッ」
嬉しそうに、彼は答えた…。
14/08/16 12:08更新 / エヴァンゲリオン弐号機
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■作者メッセージ
書いていて、何だか久しぶりの更新に感じましたw

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