連載小説
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緑色の彼
カラスに吐き出されたのち、ウサギは彼の手によって、生活の拠点に無事に戻された。
「う、ん…」
気が付くといつもの場所で横たわっていて、体には特に異常も見当たらない。
唯一普段と違うところは、カラスのにおいが体についてしまっていること。
「…そうかぁ、吐き出してくれたんだ…」
彼女はほっとしたかのような顔をし、耳をぴくぴくと動かす。
一つ深呼吸をして、肺の中の空気を入れ替える。
それが済むと、路地裏を見渡して、歩き出していく。
太陽の光があまり差し込まなくて、昼でも薄暗い路地裏。
昔は怖がっていたが、今は慣れてしまってそうでもない。
物思いにふけりつつ、何となく歩いていると…。
「キャッ!」
いきなり、柔らかくて柔軟なものにぶつかった。
恐る恐る目を開けて、ぶつかったものを確認する。
視界に映ったのは、緑色の体を持つ、巨体を持ったカエル。
カエルはぎょろりと彼女を見ては、こう語った。
「俺にぶつかってくるなんて…お前も警戒心が薄いねぇ」
すると、いきなりカエルはぬるんっと長い舌を口から出し、ウサギの体に巻きつける。
「な、何するんですか…!やめてください!」
ヌルヌルとした感触の舌に捕まってしまい、かなり嫌がっている様子。
カエルはウサギの様子を楽しむかのようににやけて、いったんウサギを解放した。
「えっ…?」
呆気にとられているウサギを、再び自慢の舌でひょいと持ち上げる。
そのまま大口を開け、獲物を待ち構えているかのように、怪しく動く喉を見せつけた。
「や、やめ…」
ウサギは恐怖のあまりに声が押し殺されたかのようになり、体が震え始める。
コンクリートの上にはぼたぼたとカエルの舌から流れ出る唾液が、斑点模様を描き出している。
そのまま彼女の体をカエルは口内に収めてしまおうと、舌をグイッと動かす。
長い舌が口内に収まっていき、その先に捕えられているウサギも一緒に口内に吸い込まれていく。
長い舌を口内に収めきり、もういいだろうと思ったカエルは、口をパクン…と閉じて、獲物が逃げられないようにがっちり蓋をする。
口内で舌にとらえられたウサギは、身動き一つとれなくて、窮屈で蒸し暑い空間の中で、舐められる。
カエルの長い舌は、ウサギの体を隙間のないほどに舐めまわし、唾液をその体に塗りつけていく。
体毛は唾液に濡れ、だんだんと重くなっていく。
「んっ…うぅ…」
体が舌の舐め回しを受けるたびに、体力が失われる。
それでも舌の舐め回しは終わることがなく、一時間以上も舌に翻弄された。
「さて、お前の味もわかったことだし…♪」
ご満悦な表情のカエルは、すっかり弱ってしまったウサギを喉の奥に送ると、ゴクリ…!という大きくて生々しい音を辺りに響かせて、喉に膨らみを作った。
14/07/30 09:00更新 / エヴァンゲリオン弐号機
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■作者メッセージ
ウサギちゃんを舐めまわしているカエルさんの姿を、考えながら書いてみましたw

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