連載小説
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胃袋への道
犬の口に咥えこまれたウサギは、先ほどまで感じていた安心感が急になくなり、喉の奥を眺めた途端、栄養にされてしまうかもしれないという恐怖に駆られる。
「あ…やめて、食べないで…!」
ウサギは足をばたつかせたりと必死の抵抗をするものの、その体は犬の口内へと収まっていく。
「んっ…」
犬はパクンと口を閉じ、ウサギを口内に閉じ込めてしまう。
柔らかな舌の上に横たわり、不安げにしていると、いきなり舌が動き出し、ウサギを舐めはじめていく。
ネチョッ…ベロンッ…
「あ、ちょっと…やめてぇ…」
ウサギの体を余すところなく舐めていき、唾液を絡めていく。
クチャリ…クチャリ…
「んっ…あっ…」
しだいに甘噛みも加えられ、ウサギはだんだんとぐったりしてくる。
その一方で、犬は嬉しそうににやけながら、舐めるのと、甘噛みを繰り返していく。
「もっと味わっておかないとな…♪」
彼は心の中でそうつぶやくと、さらに舌の動きを活発化させて、
クチュ…ベチャァァ…
と、先ほどよりも大量の唾液を塗りたくっていく。
さらに、熱い息も相まって、ウサギは疲れを隠せない。
唾液でベトベトになった毛並みを見て、ウサギは溶かされることを覚悟する。
「さて、そろそろ…」
犬は上を向いて、ウサギを呑み込もうとする。
口内は一気に傾き、ウサギは舌を持つこともできないまま、喉に落ちていく。
グググッ…ヌプヌプ…
喉の肉は、ウサギを捕まえて食道に持って行こうとする。
ゴクリッ!
そして生々しい音が住宅街に響き、ウサギを呑み込んだ犬は、喉が膨れる。
その膨らみは着実に喉を降りていき、やがてお腹を膨らませる。
「んんっ…せ、狭い…」
胃袋に詰め込まれるかのように入ったウサギは、あまりの狭さにそうつぶやく。
中は暑苦しく、酸っぱいにおいが鼻を刺激する。
このにおいは…酸だろうか。
そんなことを考えつつ、ウサギは体を動かす。
ふと、溶かされてしまうのだろうか…という不安に覆われ、胃壁を引っ剥いたりした。
しかし、抵抗すればするほど、胃液が出てくるだけなので、あまり動かないようにすることにした。
しばらくすれば、吐き出してくれるだろう。
「大丈夫だよね…」
そんな淡い期待を胸に宿すと、少し安心したのか、微笑む。
しばらく時間がたち、ウサギがお腹の中で眠ってしまったころ。
「さて、そろそろ吐き出すか」
膨らんだお腹を揺らし、微笑みながらそう言う。
そして、呑み込んだ時と同様に、首を上にあげると、先ほどまではお腹の中にあった膨らみが喉にゆっくりと移動していく。
ウサギは口内まで引き戻され、犬はそれを感覚で知ると、口を開ける。
ドチャ…ッ
やや乱暴ではあるが、ゆっくりと体液まみれのウサギを吐き出す。
ウサギはまだ眠っているようで、彼は優しく唾液やら、体液やらを舐めとってあげる。
しばらく舐めていると、彼女は目を覚まし、
「あ…ここは…」
先ほどまでとは違う風景に少し戸惑うが、犬が、
「お前を吐き出した、後はどう行動しようと、お前の自由だ」
そうウサギに告げる。
「うん、ありがとう…」
軽くお礼を言うと、ウサギと犬はお互い別の方向に向かって、歩き出した。
14/07/05 12:39更新 / エヴァンゲリオン弐号機
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■作者メッセージ
最近は本を読むことにはまっていますw
特に好きなのは、童話系ですねw
流血の表現は、次回から書いていきますw

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