連載小説
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再会
 「…ロボ?」ロボに異変が起こった。神機の一部であるオラクル細胞が液体となって溶け出し、みるみるうちに大地に広がっていく。刀身、銃身、装甲が、大地にできたその黒い海に沈んでいった。「な…何…。」神機に対して黒い海は大きく広がっていき、これから何かが生まれてくるかのように泡立ち始める。呆気にとられた私は、今目の前で起こっている事をただ見守るだけだった。

 黒い海の中から巨大な二本の前足が現れ、雪の大地を力強く踏みしめた。次に現れたのは、たてがみのような数本の赤い触手を生やした狼の頭。それは紛れもなく、あの『マルドゥーク』のロボだった。這い上がって来るロボは黒い海を吸収し、白く美しい巨大な狼の身体を形成していく。そして、黒い海が無くなった時、私の前に一匹の白いアラガミが佇んでいた。

 「ロボ…なのね…?」マルドゥークとなったロボは何も言わず、そっと私に頭を近づける。私は反射的に、その頭へと抱きついた。…暖かい。ロボの体温が、顔、腕、上半身に伝わり、全身へ少しずつ行き渡っていく。「ロボ…。」私はロボの温もりに涙を流し、ロボの頭を撫でた。ロボもそれに応え、たてがみ状の触手を伸ばして私の背中へと回り込ませる。そして愛撫を返した。
16/12/09 00:27更新 / ズィーベン
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