厭な夢 01 02 03 04 05 06 07 08

2日目

コウタはセラピーを受けに行った。

問診票に夢のことを書いた。

「ユフチェンコフくん、どうぞ。」
(この声……まさかね…)
個室に案内され、担当の先生が来るまで待たされた。
「お待たせ…さあ、始めましょう。」
「嫌だ、嫌だ、嫌だ……これは夢、これは夢……」
コウタの目の前にいたのは……青い瞳の……モーガン先生だった。
「ぐっ……うっ……」
あまりの怖さに泣き出してしまった。テンポが速くなり時折過呼吸になる呼吸を整えようとしていた。
「大丈夫よ。」
ベロリ……
「やめろ!僕にさわるな‼」
まるで舌が頬をなぞるような感触を感じた。
ハア、ハア、ハア、ハア…………ハア…
落ち着きを取り戻し、改めて担当の先生の顔を見ると違う人だった。
「ご、ごめんなさい……」
「いいのよ。可愛そうに、何かがトラウマになってるのね。その何かは悪夢と関係ある?」
「ええ。いくら忘れようとしても、忘れられない……怖い人がいるんです。人というより化け物だ。その化け物は僕を怨んでる。そう思うんです。」
「なぜ?その化け物があなたを怨んでるとわかる?」
「自由を利かなくして閉じ込めたんです。開放してしまったら……僕は死を待つのみ……死にたくない。」
「ふふふ……自業自得でしょう?」
「え?…うそ……」
「そりゃあ……怒るに決まっているでしょう、コウタくん……」
声がだんだんと低くなり先生の顔も悪魔の顔へと変わっていった。
「今度は最後まで味わわせてね……」
「いやだ!……死にたくない!死にたくない!覚めろ!覚めろ!」
ガシッ
コウタの腕が掴まれ彼女の口元へ持っていかれるところだった。


(…ウタ!…コウタ!……しっかりしろ!)
「ハア、ハア……ここは?」
「物理のクラスだ。大丈夫か?顔色が悪いぞ。」
コウタはケイレブによって起こされた。
「大丈夫、コウタ?保健室行く?」
バクフーン先生が心配してそばに来てくれていた。
「夢……?」
「確かに、寝てたけど……異常な魘され方だったわ。念のため保健室に行きましょう。みんな、今から自習よ。」

保健室のベッドに寝かされたコウタはあることを呟いた。
「僕は生きてちゃダメな人間なのかな……死ななきゃいけない人間なのかな……」
すると、そこへレシラム がやって来てコウタの頭を撫でた。
「そんなことない。……そんなことないわ……」
レシラムは涙を止めることができなかった。

「なぁ、ユウキ……俺話したっけ?昨日見た夢のこと……」
「いいや。お前も見たのか?……悪いレシラムが出てくる夢…」
「なぜ、それを……?」
「俺とフローゼルも見た……不吉な予感しかしない…」

〜〜ケイレブが見た夢〜〜
ケイレブは電話でコウタと話そうとしていた。
「もしもし、コウタ。俺だ。ケイレブだ……今日の世界史の宿題の……」
「ケイレブくん……残念だけど、コウタくんは今出られないの………」
「お前は誰だ⁉」
「覚えてるかしら……後ろを振り返ってみて……」
ケイレブが後ろを振り返るとそこにいたのは………白い悪魔だった……
「なぜ私がコウタくんの携帯を持ってるか知りたい?コウタくんのだけじゃないわ…」
彼女が持っていたのは、コウタのを含めた持ち主のわかる携帯だった。
「みんなはねぇ……ここよ。」
悪いレシラムは自分の膨らんだ腹を見せた。
「貴様……ふざけるのもいい加減にしろよ。」
ケイレブはベレッタを抜き、レシラムの頭に突きつけた。
「墓石にゃ、何て掘りゃいい?選ばせてやるよ。」
「ふふ、自信ありげね。」
「すまんな、こいつが重くて指が疲れたよ……アディオス、セニョリータ!」
ズタンッ
「そんなっ⁉」
撃たれたにもかかわらず不気味に笑う彼女を見て、ケイレブは鳥肌が立つのを覚えた。
ガブリッ
身体を激痛が走ったところで目が覚めた。

〜〜ユウキが見た夢〜〜
「私、知ってるのよ。あなたがコウタくんの大親友だってこと。」
「そうかい。だから何だってんだ?」
ユウキは悪いレシラムの前のイスに縛り付けられていた。
「彼は今どこ?」
「休暇取ってベガス行ってる。」
「こういう時の冗談は良くないわね。はやく、楽になりたいでしょう?」
「本当のこと言っても信じないだろう?」
「それはどうかしら…」
「奴はロシアの叔母さんのところにいる。お前のことが怖くて帰国した。」
「そう。……協力ありがとう…じゃあ……」
彼女は舌舐めずりしてユウキを見ていた。
「なるほど、そういうことか……最初から俺を生かしておく気は無かったってわけか。今のではっきりわかったよ。」
「ふふふ…勘がいいわね。それじゃあ、さっそく…いただきます。」
ユウキの右肩に食らいついた。
歯をくいしばったところで目が覚めた。

戻る / 目次 / 次へ


目次 / 感想 / 投票 / RSS

top

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b