読切小説
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6年経った化け猫夫婦
「寝坊するから早く起きなさいよ」
「んぅ・・・あと3分」
僕は布団を頭まで被る。まだケータイのアラーム鳴ってないのになんで起こすのかなぁ、寝ぼけ目でケータイを確認する。
「あれ?アラーム解除されてる・・・」
「私が解除したのよ。今日は朝御飯私が作るからその分ちょっと長めに寝ててもいいようにしたのよ。10分程度だけど」
布団をバサッと剥がされ、僕を起こした少しつり目の僕の妻、槝野 千奈が立っていた。
「3秒以内に起きなきゃ蹴り飛ばすわよ」
慌てて僕は起きた。


僕より早く千奈が起きるのはとても珍しい。大抵僕が仕事に行くときも寝ている。この前なんて僕が仕事から帰ってくるまで一日中寝てた。流石は猫である。そんな彼女が今日、僕よりも早く起きているのは何か意味があるのだろうか
「ないわよ。猫っていうのは気まぐれに生きているのよ。そんなことも知らないなんて、本当に教師なの?」
うぅ、朝から妻に酷く罵られる。
「まあ、でも確かに珍しいわね・・・私が早起きか・・・今日は良いことがありそう。さあ、早く珍しい妻の朝御飯食べなさいよ。」
「あぁ、うんいただきます」
そういえば、妻の手料理など生まれてはじめてである。結婚して一年目だが、住むのは六年間彼女が僕の家に居候。
「・・・薄い」
「アナタの髪の毛の話?」
そんなわけないだろう。まだ21歳だ。料理の味が、である。味付けされていない目玉焼き。味噌汁も薄い。

「ごちそうさま」
「皿は洗うから置いといて。早く着替えて」
カチャカチャと皿を重ねて台所に持っていく妻。
「ねぇ、千奈。」
「なによ」
「ありがとうね」
妻は少しびっくりした顔をしたが
「別に・・・早起きしても暇だったから。暇潰しよ」
妻はツンと顔をそらした。



着替えたり歯を磨いたり顔を洗ったりする間、彼女はずーっとそれを見ていた。いっちゃあ悪いのかもしれないけれど今日の彼女は何かおかしい。
手のひらを妻の額に当てる。ちょっと熱いきがする
「・・・本当にアナタ教師よね?猫は平均体温が高いのよバカね。」
とまた罵られた。こんな風に罵られるといつもの感じだと思うが。
「そんじゃ、行ってくるね」
「待ちなさい」
僕が玄関の扉を開け外に出ようとしたとき、止められた。
「ん、ほら」
妻は両手を広げてくる
「え?」
「・・・と、隣の家の人が、この前。夫婦はこーするみたいなの言ってたのよ!恥ずかしいから早く!」
ああ、ギューってやつね。僕は妻の背に手を回し抱きしめる。温かい。
「い、いつまで抱いてるのよ!離しなさいよぉ!」
妻が暴れ出したので解放してやる。
「今度こそ言ってくるね」
「早く行きなさいよ!」
そうして妻に見送られ家を出て行く。・・・家を出てバスを待つ時、あることを思い出して笑ってしまう。
隣の家の人って確か、夫婦の仲がかなり悪いんだったよなぁ






僕の仕事は高校の教師だ。1年のクラスを担当している。
昼休みの最中に一人の女子生徒が話し掛けてくる。
「せんせ〜♪奥さんってどんな人ですか〜?」
と、聞かれた。
「よく、罵ってきたりする。でもたまーに甘えてきたりする。」
「へぇ〜!奥さんってツンデレなんですか〜♪」
ツンデレ・・・なのか?ツンとデレの割合が合ってない気がする。
「・・・なぁ、たまに甘えるような奴が急に甘え度がアップするのって何かあると思うか?」
と、その女子生徒に聞いてみた。
「そうですね〜放置されたり構われなかったりですかねぇ〜?猫って構おうとすると逃げて構わなかったら寄って来るんですよね〜♪」
あぁ、なんとなくそれはわかる気がする。もしかしたらそれが原因なのかも知れないなー
「あ、猫で思い出しました〜。猫っていうのは・・・」








バァン!と勢いよく扉を開け家に入る。
「千奈!居るか!?」
ドタバタと土足で家を走る。土足なんて構わない。
「な、なによ・・・騒々しい。」
台所で料理をしていた。何もないようだ。僕はヘナヘナとその場に座り込む。
「・・・良かったぁ〜!ビックリしたぁー!」
「ビックリしたのはこっちよ!あ〜あ〜!掃除したのに土足で入って来るなんて!」
と、妻は怒る。が、急に何か考えだした。
「何て言うんだったかしら・・・こういうとき。このまえネットで調べた・・・」
ん〜・・・と長く考えポンと手のひらを叩く。
「激おこぷんぷん丸!」






「なによ、気持ち悪いわね・・・なんでじっと見てるのよ。」
晩御飯を食べ終えてまったりテレビを見ている妻。を、じっと見ていると気持ち悪がられた。しかし、妻を気にしてしまう。だって生徒からあんな事を聞いてしまうと・・・
ピピピッ!ピピピピッ!
考えていると急にタイマーが鳴りだしてビックリした。心臓跳ねた。
「あ、そろそろお風呂だね!先に入るね」






今日はビックリする事が多い。風呂に入っている時、妻が入ってきた。そして、僕の背中を流したりした。・・・生徒の話が当たったりしたら・・・やだな。
パジャマに着替えた僕と妻は2つの布団に入る・・・はずなのに、僕の布団へ入ってきた。
「寒いからよ!寒くなかったら一緒に寝ないんだから!」
そう言いながら僕を抱きしめ体を擦り合わせ甘えてくる。
「千奈!」
僕は化け猫姿になり妻を抱きしめる
「え、なんで泣いてるのよ!?どうしたの」
「僕・・・泣いてる?・・・だって千奈・・・」
その後の言葉が出ない。例えそれが違ったとしても、とても恐ろしい。
僕は化け猫になったとき変化するザラザラとした舌で足から頭まで舐める
「にゃっ・・・//にゃにすんのよ!」
バタバタ暴れるが離すわけには行かない。そのまま足を口にくわえこむ。
「あ、足がぬるぬる気持ちいぃ///」
千奈は顔を快楽に歪める。太股を甘く噛むと小さく喘ぐ。腰まで口に入れると抵抗が小さくなる。千奈の手のひらが僕の舌を触ると手のひらがズブズブと沈む。
全身を口に収めて甘噛みをする。
「あぅん・・・やめてっ///ひゃぁ・・・♪」
千奈もぐったりしてきたので呑み込む。千奈の鼓動を感じる。
胃袋に落ちた千奈を胃壁で攻める。お腹をぐにょぐにょと動かすと、粘着質な音がして中にいる千奈の喘ぎ声と共に千奈が混ざる。
ぐっちょ・・・ぐちゅっ・・・
「やっ・・・やめてぇ・・・やめてょぉ・・・♪」
千奈の可愛い快楽に溺れる声。
「やだね♪やめないよー!」
もっと激しく揉み混む。グチュグチュと音も激しくなっていく。
「あっ・・・んぁ・・・///やめぇ・・・」
それ以降から抵抗もなく声もしなくなった。鼓動はあるから生きている。
「千奈・・・好きだよ。」
また、生徒が言ったことを思い出す
『あ、猫で思い出しました〜。猫っていうのは・・・
死期が近付くと飼い主にとても甘えるらしいですよ〜』
「何があっても、千奈・・・絶対生きててね・・・」
15/03/23 00:54更新 / イル

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