連載小説
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ビオラ章前編 なっちゃん師匠!
「ふぁ・・・・っ・・・」
パソコンから目を離し椅子に背中を預け欠伸をする。時計を見るともう2時を過ぎていた。・・・まあ、吸血鬼は夜行性なのだが。
今回の話を語るのはボク、神無なのだ。下ネタは多めになってしまうから注意
(そろそろだな・・・)
『ビオラがログインしました。』
パソコンのチャット欄にフレンドの名前が表示された。
『なっちゃん師匠サーセン!遅れました!』
ゴメンナサイのアクションをする銀髪の女の子。
『そんなんじゃランキング1位から落ちるかもよww』
勿論冗談である。いや、1位なのは冗談ではない。このオンラインゲームは『モンスターファンタジア』というRPGで、毎月 『経験値ランキング』『撃破数ランキング』『レベルランキング』というのがあるのだが・・・去年からこの銀髪キャラ『ビオラ』は全ての1位が揺るがない有名人なのだ(私はレベルで5位)。んで、何故そんな有名人がチャットしたりしているんだと聴きたい人もいるのではないかと思う。理由は・・・ビオラがこのゲーム始めた時操作とか町の構造がわからなくてさ迷っているのを保護したというのが始まりである。それ以来結構コンビ組んでいるわけでして。
話を戻そう。冗談なのは、あの子が1位から落ちないこと。毎回毎回あの子は2位の人と圧倒的差がある。ちょっと油断しても落ちることはありえないだろう。
『にゃ、にゃんとΣ(οдο)1位の座は譲らんでござる!』
『じょーだんじょーだんwさて、なに狩る?マジカル?』
『グリモワール行きましょ!・・・なっちゃん師匠って明日(日付変わったけど)暇ですか?』
ボクのボケを華麗にスルー。しかも狩る敵2400レベル以上推薦じゃないか。ソロで狩る気か。
『寝るのが大変。それ以外暇よー』
『それなら・・・その、オフで遊びに行きませんか?』
『オッケーどこに集合?』
ボクは普通に返したが実はオフで会うのは初めて。少しは緊張する。
『それではミスト町駅の近くのゲームセンターに午後3時に集合で!』
そうして集合場所と集合時刻を決めた後2400推薦のステージ行って寝た。





ジリリリリリ・・・
朝から煩く鳴る目覚まし時計を止め窓から太陽の日射しを浴びる。・・・浴びすぎると気持ち悪くなってしまうのが吸血鬼の弱点である・・・。時計を見直すと7時半。休日でも毎日同じ時間に起きるのがボクである。
朝ごはんは5枚切りパン1枚に苺ジャム。
「そういえば最中ちゃんは朝からパン2枚食べるって言ってたな」
何枚切りでも朝から2枚は食べれない。


朝ごはんを食べ終え、今日の予定を確認する。
「3時に駅の近くにあるゲーセンか。早めに行って時間潰すとして・・・1時頃家出るか。電車が30分に来るから・・・」
など、考えている内に一つ困った事が起きた。
「・・・服、どうしよう。」
ボクは今まで、小学生、中学生、そして高校生。・・・友達と休日に遊びに行くことがなかった。明太とも学校で話すことが多く、家に行くときは夜にパジャマで行く(明太が興奮すると思ったから)
「クローゼットにあるにはあるけど・・・」
フリル付きスカートがあった・・・一応着用してみる。
「これは、うん・・・。あれ?なんでサイズが合ってる?」
ピッタリなのだ、買った覚えもないそのスカートのサイズが。親が買ったとも思えない。最近ちょっと距離を置いているのだから。
「こ、これ・・・ちょっと見えそう・・・それにあんまり似合わない」
そんな疑問などスカートの短さに掻き消されてしまった。しかもボクにはこういった可愛い系は似合わない。よし、最中ちゃんにあげよう。
「その前に・・・カシャッと」
スカート姿のボクを撮った写真を明太に送信。ボクも女の子という事を証明してやる!まあ、似合わないから笑うかもしれないけど・・・案外鼻血出して喜ぶかも。





ボクが住んでいるサニー町から電車で30分程で着くミスト町。隣町だけどちょっと田舎っぽい雰囲気がある。噂では人外が結構住んでいるらしい。
腕時計を確認すると。2時前、結構予定通りに着いた。駅の近くを歩いていると、獣の耳や尻尾を出している人が多くいる。それを疑問に思う人もいない。
「あれ、神無さん?お久しぶりー♪」
そんな中、後ろから大人っぽい大人しい声が聴こえる。振り向くと着物を着ていて、狐耳の、胸部ぺったんこな女の人が手を振っていた
「会って早々ぺったんこは無いでしょ!?」
「胸だけに?」
「うまくないし凄い傷つくよ!」
で、この狐耳の女の人はボクの通っている高校に底羅という人がいるんだけどその人の友達で一度会ったことのある人。名前は確か
「おは予さん?」
「私の名前は挨拶じゃなーい!夢予だよぅ!」
涙目になってきているのでそろそろいじるのは止めるとして
「凄いな、この人外の数。観光客とかビックリするだろう」
ボクは良い意味で言ったつもりだった。しかし夢予さんは少し悩んだような顔をした。
「あ、悪い意味ではない!こんなにも人外が認められているのもここぐらいじゃないかなと思っただけで・・・」
「おかしいよね・・・この数・・・今までこんなにも居なかったし最近では制御の効かずに耳や尻尾を出したままの人・・・私も、耳と尻尾は消せるけど瞳の色は戻せない。ほらね」
夢予さんはボクの目を見ながら話す。確かに夢予さんの瞳は紫色に輝いている。
「この町で近い内に何か起こる気がする。神無さん、気を付けてね。」
「ああ、気を付ける。ありがとう」
手を振りながら歩いていく夢予さん。・・・これは一応、後で最中ちゃんと明太に報告かな





ゲームセンターに着いたのは2時30頃になってしまった。夢予さんとはそこまで長い話をした覚えはないのに・・・まあ、時間に間に合えばそれでいいのだ。
「お、久しぶりにやってみようかな♪」
ピアノフォルティッシモ☆というゲーム。ボクがゲームセンターで得意なリズムゲーム。最近はあまりやっていないが
100円をいれてカードを読み込ませる。すると、珍しく向かい側でも人がやっているらしく挑戦状を送られてきた。内容はボクが一番得意な曲だったので受ける。
『スタート!』
この曲は初見殺しが多いが、アレンジを入れやすくリズムも取りやすいから得意で誰にも負けたことは無いのだが・・・
「す、凄い・・・!」
画面の右斜め上に相手の得点が表示されるのだが、始めて1分でボクの1.5倍の得点を取っていた。い、いやまだ勝てる・・・かも



「駄目だったぁ・・・」
1.5倍の差を少しは埋めたものの結局負けた。この曲、初めて負けた。
「そういえばこれ誰がやってるんだろう」
そう思い相手のプロフィールを確認すると・・・
「あれ?なっちゃん師匠じゃないですか!」
向かい側でボクに挑戦状を送ってきたのは待ち合わせをしていたビオラだった
「初めまして♪なっちゃん師匠!」
背は高く女の子にしてはちょっと低めの声。肩に動物のぬいぐるみを乗せて深々とフードを被り顔が見えない状態(ビオラからはボクが見えるのだろうか)
「喫茶店行きません?奢りますよ」
「ああ、わかった。・・・それ前見えてる?」
「一応見えてますよ!絶対このフードとらないでくださいよ?」






ーー一方その頃ーー
サニー町のとある家に高校一年生と二年生が正座で向き合っていた。
「え〜っと・・・相談なんですよ〜」
あまり落ち着いた雰囲気ではない少女、最中。
「鼻血止まるまで待ってくれないか?ったく・・・神無のやつ!変な画像送ってきやがって・・・」
鼻を押さえたままケータイで送られてきた画像を見る明太。
「相談はですね〜・・・その・・・会いたい人なんですよね〜」
待っている時間などないと言わんばかりに話を進める最中。
「会いたい人・・・?というかそれ神無に聞いた方が良いんじゃないか?」
ようやく鼻血の止まった明太は腕を組みながら考える。
「謝りたいんです〜その子に〜・・・」
「んで、そのこの名前は?」
「名前はわかんないです〜けど、あだ名なら〜」
そういって会いたい人のあだ名を言う。しかし明太はその子がわからない。
そのあだ名は・・・
「ビオラちゃん」
15/04/05 22:43更新 / イル
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■作者メッセージ
めっちゃ細切りにして出してしまいましたごめんなさい

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