読切小説
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マリルリのおやつ

「えへへ〜♪美味しそう♪」


彼女はマリルリ、彼女は自分の家を持っている。


家と言っても、人間が残した空き家に、勝手に住んでいるだけなのだが。


そんな彼女が今作っているのが、チョコを溶かしたもの。


これで何をするのかというと…。


彼女いわく「他のポケモンをチョコに浸して食べちゃう」らしい。


笑顔が可愛い彼女だが、考えていることはいつも恐ろしいことばかり。


マリルリは、自分の考える事の恐ろしさに一切気がついていない。


「さてさて、前準備ができたから…」


ルンルン気分で、家の外に出る。


家の近くに海岸があって、水の中にいるポケモンならすぐ揃う。


「うーん、いつもケイコウオさんばっかり食べるのも飽きたし…少し出かけてみようかな」


彼女はチョコが入った重そうな鉄の鍋を軽々持ち上げ、少し遠い山に向かう。


山まではそれほどかからず、すぐについた。


人間であれば、もっと時間がかかっていただろう。


「よし、さっそく…」


マリルリは嬉しそうな顔でポケモンを探しに行く。


鉄の鍋も一緒に持っていく。


すると、木の上で休んでいるスバメに出会った。


「ねぇねぇ、スバメさん、これ食べる?」


すると、鉄の鍋にたっぷりはいったチョコレートを見せつける。


「おおっ、それはチョコレートか?でも、バレンタインでもないのになんで?」


「えへへ、自分で食べようかと作ったら作りすぎちゃって…」


うまく言って、納得させる作戦だ。


「そうか、じゃあ、少しいただくよ」


スバメが油断して木から降りてくる。


そして、もう目と鼻の先というところで…。


がしっ


「なっ!」


「えへへ、さっきのは嘘だよ♪」


スバメを掴んで、笑みを浮かべるマリルリ、


そして、チョコにスバメを沈める。


「っ〜!」


息ができなくて、暴れる。


それをニコニコしながら見つめるマリルリ。


その顔は、悪魔のよう。


しばらく浸して、やっと開放してあげた。


「はぁ…!はぁ…!」


息をするのに必死なスバメの体は、チョコまみれだ。


「さて、そろそろいただくね♪」


口を大きく開け、スバメを一口で口内に入れる。


「…うぅ…」


酸欠気味のスバメは、何が起こったのかわからないまま、口内に入った。


巨大な舌の上で、彼は息を整える。


すると、スバメの体を舌が舐めだす。


「っん?!」


彼は舌に巻き取られ、ジュジュルと味を搾り取られていく。


チョコの味はもちろん、スバメ独自の味も。


どんどん舌が奪っていく。


それはしばらく続き、一時間もなめまわしは続いた。


「う…」


唾液でグチョグチョになったスバメは、もう抵抗する気力さえ残されてはいない。


マリルリはそのまま上を向き、そして…。


ごくりっ…。


丸呑みにした。


「はぁ〜♪美味しかった♪」


彼女はスバメが胃袋に入ったのを確認すると、チョコを見る。


流石にしばらく放置していたためか、ほとんど固まっている。


「あちゃ〜、作りすぎたなぁ…失敗、失敗」


お腹を撫でながら、そんなことを言ってみる。


そして、彼女は立ち上がり、家に帰っていくのだった。

16/09/06 15:01更新 / 猫缶
■作者メッセージ
今回はマリルリちゃんに登場してもらいました。

この小説は、pixivにも投稿しています。

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