連載小説
[TOP] [目次]
後編
前編のあらすじ

探検家のアローラロコンのハクとフタチマルのマルは訪れたら二度と帰って来れないという噂のある「帰らずの森」に、何か財宝がないかという探究心から足を踏み入れていた。その中で出会ったジャローダのジェノヴァに「勝負で勝ったら財宝について教える」と言われ、情報欲しさに戦ったが、負けてしまった。地面に倒れ伏すフタチマル、ジャローダに巻き付かれ動けないロコン。そんな彼らにジャローダは「負けたのだから、君たちを食う」と伝えるのだった──



☆☆


「……どう、いうこと?」

額に冷や汗をかきつつロコンはかすれ声を出す。ジャローダは少しロコンを締め付ける強さを和らげ、ロコンにずいと顔を近づける。

「そのままの意味さ。気づかなかったかい、この森にはちゃんとした実の成る木がないことを。木はせいぜい小さな粒のような実をならすばかりさ、オボンやモモンの実のような腹にたまる美味い木の実はない」

だから、と続けてあっけらかんと言う。

「この森に来る探検家は貴重な食物なのさ」

ロコンは感じ取ってしまった、ジャローダの目が先程までの威圧感ではなく、純粋な殺意をこちらに投げかけていることに。
彼女は、本気でロコン達を腹に収めるつもりなのだ。戦慄する。
まさか、ここで死ぬのか。

「だからといってポケモンを食べる……!?ポケモンを食べることは犯罪だわ! 昔は肉食のポケモンもいたとか聞くけれど、今はいくらでも木の実とか食べ物が手に入るのだもの! 確かにこの森に住んでいる以上、生きるためには仕方ないのかもしれないけれど……そうよ、街で暮らさない? そうすればポケモンを食べる必要も無くなるわ!」

嫌だ。ここで死にたくない。こんなところで死んでたまるか。この世にはまだ未知のことが沢山溢れている。それを解き明かす前に死ぬなんて絶対出来ない。
とにかく、口を動かした。まずは会話だ。
仮に彼女の気が変わらないとしても、時間さえ稼げれば、フタチマルが意識を取り戻すかもしれないし、ロコンの全身に未だ残るズキズキとした痛みもいくらか引いてれいとうビームが放てるようになるだろう。

「ふふ、何も私は食べ物がないから仕方なくポケモンを食ってる訳じゃあないよ」
「え……?」
「私は、ポケモンを食べるのが好きなのさ。知ってるかい? ポケモンによって肉質が違うことを。足掻く力が違うことを。喉を蠢くあのこそばゆさが違うことを。一度食べたら、きっと君だって病みつきになるさ。未知の食に出会えることに勝る浪漫はない……うん、きっと君と私は似ていると思うよ? 私も昔は君みたいに、未知のことに出会うことが何よりの喜びだったからね。食に関わらず、さ」

なんでもない事のように話すジャローダに怒りを覚え、

「だ、誰があんたなんかと……! そ、そんなことでポケモンの命を奪っているあんたと一緒にしないでよ!!!」

犬歯を剥き出しにし、吠える。だが、相対するジャローダは相変わらずの余裕顔で首を竦めた。

「おお、怖い怖い。チャーミングな顔が台無しだよ?」
「茶化さないでよ! 今まで、たくさんのポケモンをジェノヴァさんは食べてきたんでしょ!? 探検家たちを……探検家……?」

怒りの咆哮の途中、ロコンはあることに気づいてしまった。

「ふふ……聡明な君にしては気づくのが随分と遅かったね。さっきから言っているだろう。私はこの森に来た『探検家』を食っている、と。まあ、自分が食われるっていう焦りと恐怖でいつもより頭が回らないだろうから仕方ないのかもしれないけれど」
「ジェノヴァさん……まさか……っ! フロンティアは……!」

どうか、そうじゃないと言ってほしい。そんな縋るような目を真っ直ぐにジャローダは見返すと、

「ああ。勿論、食べたよ」

そう、無慈悲に告げた。

「嘘……! 嘘よ嘘よ嘘よ嘘よっ!だって、フロンティアはっ! すごく強くて! 伝説ポケモンよりも強いって評判で!私の憧れでっ! そう簡単に負けるわけがないのよ! 今頃お宝を鑑定してる、そうでしょ!? そうよね!?」
「そうだと言ってあげたいんだけれど……彼らは確かに私が食べたよ。確かに結構彼らは強かった。決着がつくまでに五日間は要したからね。流石の私も負けるかなと思ったんだけど……運が良かったのかな、なんとか勝てたのさ」
「嘘よ……私はっ!私は信じないわ!」
「まあ、信じる信じないは君次第だけど」

取り乱すロコンを愉しげに見下ろす。心から愉しそうに。実際、ジャローダにとってこの光景は愉悦だった。彼女にとってポケモンが精神的に苦しむ姿は食前の余興にはもってこいであったのだ。まだだ。まだ、もう少しロコンを追い込もう。ジャローダにとってこれは先程のバトル──といっても、彼女にとっては狩りのようなものであったが──の延長戦であった。先程は肉体的に、今度は精神的に追い込む。

「これから、信じなくてはいけなくなるかもしれないよ?」
「は……?」
「だって」

ジャローダは口を大きく開いた。ロコンの眼前に二股の舌、太く鋭利な牙、果てはどこまでも続いていそうな食道の入口が嫌でも見せつけられる。

「『再会』出来るかもしれないよ? 彼らはこの先で『待ってる』だろうから、ね」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

じたばたとなんとかとぐろから逃れようとするロコンをジャローダは逃すまいと強く締め付け、

「そういえば、蛇体のポケモンがなんでポケモンに巻き付くか知ってるかい?」
「ぐ……なに、を……」
「それは、ポケモンの骨を折るためさ!」

瞬間、ジャローダは尾の先端でロコンの両前足をまとめて巻き、ロコンは何が起こるか察してその束縛からなんとか逃れようとするが、逃れられず一層強まる尾の束縛によりボキボキッと重い音を立てて両前足の骨が同時に粉砕した。

「ああああああああぁぁぁッ!」
「痛いよね? でもこれで君は戦闘不能になっただろう? 君が体力を回復のための時間稼ぎの会話をしようとしていたことなんてお見通しさ。まあ、その割には大して時間稼ぎ出来ていなかったみたいだけど」
「あぁぅぅぅ……」

痛い。痛い。痛い痛い痛い。
前足をつんざくあまりの痛さに唸ることしか出来ない。思考がその痛みのせいでまとまらない。視界がぐにゃりと曲がって見える。

「おやおや、泣いてるのかい? そりゃ、前足同時に骨折させられたから当たり前か。うんうん、ヒトカゲも最期は泣いていたよ。炎タイプだからか涙はすぐ蒸発してたんだけどね! あれは一興だったなぁ」
「ぅぅ……さ……さいっ……て……ぇ」
「最低だって? うん、自分の性悪さなんて自分がよくわかっているとも。だがね、私のそれはもう治らない。骨の髄まで、うん、君の言う最低、だからね。昔は私もこう見えて探検家だったんだよ? でも、色々あって、今は食という浪漫を追い求め続けることに決めたのさ」
「…………」
「おや、呻く気力もなくなったかい? それなら、いよいよ喰うことにするけれども」
「……マ……マル……! 聞こえてる……っ!? あんたは……逃げて……っ!」

未だ前足を蹂躙する痛みで額に脂汗をかきながら、ロコンは精一杯叫んだ。もう、前足が効かないロコンは逃げきれない。でも、幼なじみは今逃げれば助かる、かもしれない。
だが、

「え……っ?」

フタチマルの方を見たロコンは言葉を失った。
フタチマルの身体中から無数の木の芽が生えていて、さながら冬虫夏草のような有様になっていたのだ。

「失礼、マル君には宿り木の種を植えておいたよ。そうそう、勿論死なない程度に芽吹かせておいたから安心してくれよ? 私としては、彼のおかげで尾が少し回復してきたから今すぐお礼を言いたい程なんだが、彼は生憎暫くは目を覚まさないようだね」

それからロコンの耳元に口を近づけ、

「後で追わせてあげるから。君は快く私の腹へ来るといいよ」

そう、優しく囁いた。ロコンにとっては悪魔の所業だというのにも関わらず。

「嫌っ……お願い……マルは……助けてよ
……私はっ……食べられても……いいから!」
「ふふふ、それは承諾できないな。バトルの勝者は私。その私が君たちを食うと決めたから、君たちに拒否権なんてものはない」

チロチロと舌を出してロコンを満足気に見下ろし、

「うん、だいぶ君は弱ってるし、余興はここまでといこうかな。さすがに可哀想だしね。さて、メインディッシュといこうじゃあないか」

愉しそうににこやかに笑って伝えると、ジャローダは再度大きく口を開き、泣きじゃくるロコンの顔を咥えた。

「やめてっ……!いやぁぁぁ!!!」

ロコンの眼前に再度悪夢のような光景が広がる。顎の下でもう一匹の蛇のような舌が蠢いているのを感じ、肌が粟立った。なんとか逃れようと抵抗を試みるが、前足は少し動かすだけでも激痛が走るので動かせず、後ろ足をじたばたと動かすことしか出来ない。だが、それが一体何になるというのだろう。ジャローダはそんな抵抗をものともせず、頭、前足、胴体、後ろ足と順調に口の中へと納めていく。

「嫌っ、死にたくない! 助けて誰かぁ!」

誰も助けが来ないことは自明だったが、ロコンは叫ばずにはいられなかった。もはや自慢の尾以外は全てジャローダの口の中に入ってしまっている。生温かく、モモんの実のような甘ったるい匂いのたちこめた最悪な場所に。身体の下で舌が波打つ嫌な感触。頬の内側の肉のヌメヌメとしたおぞましい感触。少しザラザラとした上顎がロコンの背中に当たる気持ちの悪い感触。そして、目と鼻の先に迫った、落ちたら二度と戻れないであろう大きく暗い穴。全てがグロテスク極まりないものであり、この中で正気を保てるはずがない。おまけに尾以外全てを口中に納めたという段階になって、ジャローダは上顎と下顎でロコンを軽く挟んだり、舌をより一層蠢かせ身体を舐めまわしたり、一回転させたりし始めた。遊ばれているのだ。

「嫌……誰か……だれかぁぁぁ!」

悲痛な叫び声がジャローダの消化器官に響き渡る。だが、口内での遊びは暫く続き、さしものロコンもだいぶ疲弊してぐったりとしてしまった。すると、不意に舌が動きを止め、尻の方の地面がゆっくりと上へと傾いていく。ジャローダが上をむこうとしているのだ。つまり、地獄へ続く滑り台のスタンバイが始まっている。

「いやぁぁぁぁぁ!」

ロコンの身体もその傾斜に従い食道の方へ滑り落ちていく。痛む前足を無理やり使い踏ん張ろうとしても、ヌメッとした唾液でよく滑る口内で踏ん張れるはずもなく、ロコンはあっという間に大きな穴へと吸い込まれてしまい、その後をゴクリという音が追いかけていった。
果たして、食道の中は最悪その一言に尽きた。ヌメヌメとした肉壁がロコンの身体を余すことなく包み込み下へ下へとギュムギュムと押しやってくる。叫ぼうと口を開くと粘性の液体が入ってきて思わずむせた。だが、食道は空気が少ないのか息が上手く吸えず、呼吸困難に陥りハアハアと息が浅くなる。早く胃袋へ着いて欲しい。もはや死を覚悟した彼女であったが、呼吸困難の息苦しさはそう思うほどに辛いものだった。永遠とも思える時間の後にロコンはドシャリ、と少しだけ広い空間に投げ出された。酸っぱい匂いが鼻腔を満たすが、とにかく空気が欲しかったロコンは構わず思い切り胸いっぱいにその激臭の空気を吸い込んだ。

「……っげほっ!げほっ!」

さすがにむせたが、呼吸することが出来てひとまず危機を脱したのだと安堵する。勿論、今も尚危機に晒され続けてはいるのだが。蒸し暑い空間は最悪としかいいようがないが息ができるだけまだマシだ。

「ふう、なかなか楽しめたよ、ご馳走様」

遠くからくぐもった声が聞こえる。ジャローダの声だ。

「以前赤狐のロコンを食べたことがあったが、やはり体温が全然違うね。赤狐は熱くて火傷しそうになったが、反対に白狐の君はとても冷たいね。君の柔らかな肢体と相まってさながら昔街で食べたアイスのように美味しかったよ」
「……う……うるっさい……わね……」
「ああ、ごめんごめん。饒舌なのは私の悪癖の一つでもあってね、よく皆に言われるよ……そうそう、再会は出来たかい?」
「あ……」

気づいてしまった。目の前にある、モノに。そこにあったのは塊だった。ぐじゅぐじゅに溶け、原形は全く留めていない。だが、その塊に一部分に巻かれているもの、それは、

「フロン、ティアの……スカーフ……っ」

間違いない。暗闇で朧気にしか見えないが、そのスカートに入ってあるロゴはフロンティアの三匹を模したものだった。だいぶ濡れていて劣化しているが、フロンティアのスカーフを見間違うはずがない。そして、そのスカーフを巻いている塊は、三つあった。

ロコンの憧れの探検隊は、見るも無残な肉塊と化していた。

「うっ……おえぇ」

思わず後ずさり、込み上げてきた胃の内容物を吐き出した。

「おやおや、吐いちゃったかい? 大丈夫、後片付けは不要だから心配しなくていいよ」

こいつ……絶対に絶対に、許さない。こんな狂気の殺戮者を生かしておいてたまるか。

瞬間、ロコンの胸中に怒りの炎が赤々と燃え上がる。

「よくも……よくもフロンティアをっ!」

凄まじい怒気で言い放ち、れいとうビームを繰り出そうとする。相変わらず前足は痛い。並のポケモンであれば既に気を失っている程の鋭利な痛みでれいとうビームを放つ集中力などないはずだった。だが、怒りの力が彼女を奮い立たせ、集中力を高め、れいとうビームを放つエネルギーを口に集めることを可能にする。はずだった。だが、

「腹で暴れる子にはおしおきが必要だね」
「……っ!?」

床が揺れ動き、集中の中断を余儀なくされる。同時に口に集めた冷気エネルギーも霧散し、消滅した。
床が右へ左へと揺れ動いている。どうやら、ジャローダが蛇行しているようだった。くねくねと動く度にブヨブヨとした床がロコンの体をすり、ニチョニチョと不快な音をたてる。

「蛇体のポケモンは、呑み込んだものが大きすぎる時は、木に力いっぱい巻きついて体内の物の形を崩すのさ。これも覚えておくといいよ」

言うなり、ロコンの周辺の胃壁が折れ曲がり、ロコンもそれに合わせて腰を曲げる形になる。胃壁を通して何か固いものが腹の下に当たるのを感じる。どうやら、ジャローダが木に巻きついたようだ。ということは、崩す物というのは、

「我慢できるかな?」

狂気を孕んだ声が言うなり、腰が物凄い力で圧迫、固い木の幹に押し付けられ、ゴキバキッと前足の骨が折れるよりも遥かに重い音が鼓膜をつんざいた。

「ぎゃあああああああっ!!」
「どこの骨を折ったかな? 腰に狙いを定めてはみたんだが、首とか致命傷になる所では……ないようだね、そんなに叫べるなら。よかった、すぐに死なれちゃあ困るからさ」

ジャローダが喋っている最中もあまりの痛さに悶え苦しみ叫ぶしかない。

「ふふふ、元気で結構結構。さて、そろそろマッサージが始まるかな……お別れの時が近づいてきたようだ」
「ああ……ううぅ……」

スルスル、と木へ巻きついていた身体を解くジャローダ。その体内のロコンは未だ腰に走る激痛に苦悶していた。そちらに気が取られ、身体を包み込む胃の抱擁に気づく余裕が無い。ブヨブヨとした胃壁はロコンを優しく包み込み、その身体を強くも弱くなもない力で揉んでいく。ヌチョヌチョと嫌な水音が絶え間なく響く。

「……あ……ぐ……」

少しして、全身が痛み始めた。最初は、ピリピリと、次第にズキズキとした痛みにそれは変貌を遂げた。胃液だ。胃液がロコンの身体に揉みこまれている。酸性の劇物はロコンの穴という穴からロコンの体内に侵入し、少しずつ、確実に彼女の身体を溶かしていっているのだ。
もう、れいとうビームを打つ力すら残っていないロコンに死を待つこと以外にできることは無かった。叫ぶ気力が無くなり、痛覚も麻痺してきたのか、あまり痛みを感じなくなってきた。視界はもう、まともじゃない。目の前の肉塊がぼやけ、果てはついに視界が真っ暗になり何も見えなくなった。なんだか、どうしようなく眠くなってきた。瞼が重い。どうせもう視界も見えないのだ、閉じてしまおう、そう思って閉じかけた時、

「そうだ、君が生きてるうちにこの森のお宝について伝えておこうか」

思い出したかのようにジャローダが言う。

「君が勝ったら教える、そう言ったけれど私は寛大だからね、特別に話してあげるよ。この森のお宝なんだけど──そんなもの、最初からないよ」
「……は……?」
「私はこの森にお宝があるなんてハナから言ってないだろう? それなのに、勝手に勘違いして戦って敗れて喰われて……哀れだね」

だけど、と付け加え、

「帰らずの森に来る君たちも悪いんだよ? 来た以上は死の覚悟ぐらいしとかなきゃあならない。好奇心につられて危険を無視して行動する……向こう水な行動はしてはダメだ。来世では気をつけてほしいね」

と忠告をした。
自分の行為を鑑みると確かに、ロコンも悪かった。数多の探検隊が行方不明になっているにも関わらず、自分は大丈夫だと鷹を括り、それよりも未知の宝物や憧れの探検家に追いつけるかもしれないという欲望に向かっていった結果がこのザマだ。無鉄砲に突き進むなんて、馬鹿がすることだ。その点でいえば、ロコンは紛れもない馬鹿であったのだ。

「サイ……ア……ク………………」

そう呟いたのを最後にロコンは意識を手放した。


☆☆☆

「死んだ、ね」

先程までは弱々しく動いていた腹はもう動かなくなった。代わりにゴポゴポと消化する音が聞こえる。彼女の体は次第に溶け、原形を失い、そして彼女の憧れだった探検家達と同化するのだろう。それは、

「最高の末路だとは思わないかい? 私に感謝して欲しいほどだよ。さて、と」

ジャローダは膨れた腹から視線を移し、地面に伏しているフタチマルを見やる。ジャローダは宿り木の種のおかげで体力が随分回復したが、宿り木を植えられた本人はこの数時間で養分を吸い取られたせいでやせ細り、半日は目を覚ましそうにない。

「彼はどう絶望させてあげようかな」

次の捕食での口撃を考えると自然と口角が吊り上がる。
やはり、捕食というものはやめられないものだ。ポケモンによって千差万別の味わい方ができる。ある者は悲鳴を、ある者は命乞いを、ある者は罵声を。ポケモンによって可能性は無限大だ。
そんな彼らを肉体的に、精神的に、徹底的に獲物を追い詰める。これほどの快楽があるだろうか。

昔ジャローダが探検家だった頃は、『未知のことに出会える浪漫に勝るものは無い』、それが彼女の信条であった。だが、初めてポケモンをこの口で呑み込んだあとから、ジャローダは変わった。生まれ変わったのだ。この快楽を知った今は、

「未知の食に出会える浪漫に勝るものは無い」

これが今の彼女の、何よりも優先すべき信条なのだった。その信条を胸に妖しげな笑みを浮かべつつ、彼女はフタチマルの元へとゆっくりと近づいていった。
20/01/06 00:25更新 / サーや
戻る 次へ
■作者メッセージ
丸呑み編だと言っておきながら、会話パートがとても長くなってしまいました、すみません…マルくんの捕食は上手くまとめられそうになかったので割愛しました笑
皆さんそれぞれでお好みのシチュエーションで想像してみてください!
また何かしら書きたいと思いますが、次の投稿は数ヶ月先になるかと思います。もしまた私の作品が投稿されたら見ていただけるととても嬉しいです。
ひとまずここまで読んで頂きありがとうございました!!

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b