読切小説
[TOP]
謎の精霊

(朝か…)


僕は藁のベッドから起きると、あたりを見渡す。


ピカチュウは何故かいなかった。


先に出かけてしまったのだろうか。


とりあえず僕も、仕事に向かおう。


………


仕事に向かおうと町の外に出ると、何者かが入口の前にいた。


その後姿は人間の子供のように小さい。


しかも、なにか教会で着るような服を着ている。


背中のあたりには、見たことのない紋章のようなもの。


一体あの子は、誰だろう。


(近づいてみるか…)


僕は四足の足で静かに近寄る。


「………」


全く反応がない。


置物のようにじっとしている。


(さて、近づいたけど、どうしようか…)


とりあえず、くすぐってみることにした。


僕のもふもふとした尻尾でくすぐってみる。


こちょこちょ…。


「ふふっ…」


(ち、ちょっと笑った…)


更にこちょこちょする。


「そんなにくすぐらなくても、いることはわかっています。狐の子よ」


(狐の子…?そうか、僕はフォッコだから…)


その謎の子はこちらを向く。


「さて、何の用ですか?」


正面を向くと、3つの穴が空いたような仮面がこちらを見る。


(に、人間…?でも、この世界にはポケモンしか…)


「人間ではありません、ワタシは…精霊です」


(せ、精霊…!?)


「そんなに驚かないでください、ワタシは、この世界のことを書き留めて記録するのが役目なんです」


なんだかよくわからなくて、少し頭が痛くなる。


その後の話を聞いてはいたが、よくは覚えていない。


大体覚えていることが、神様に仕えているとか…そういうことだけ。


(ううっ、今日は変な目にあったな…)


夜、僕は眠りにつけなくてずっと同じことを考えていた。


ピカチュウに話したら、それは面白い話だね!と笑われてしまった。


明日も、会うのかな…。


………


次の日、今度は意外な場所で会うことになる。


久しぶりに村に戻って休んでいると、カフェに珍客が現れたとか。


なんでも、わけのわからないことばかりを言って、ずっといちごを頬張っているとか。


とりあえず、行ってみることにした。


「はむはむ、むしゃむしゃ…ここのリンゴは美味しい…と」


…昨日会った変なやつだ。


僕は話しかけてみることにした。


「狐の子、あなたもこのリンゴを食べてみなさい。疲れも吹き飛びますよ」


僕は迫力に押され、一つリンゴをいただくことにした。


しかし、なんでこんな場所に…。


ガルーラおばちゃんに話を聞いてみると、どこからともなく現れたのだとか。


「狐の子、お願いがあるのですが」


僕は急に呼びかけられる。


「あなたの胃の中を見せていただきたい」


「「「はあっ!?」」」


カフェにいたポケモン達がそれを聞いて驚く。


そりゃ、いきなり食べられたいとか言い出したらねぇ…。


(う、うぅん…ま、いいかな…)


僕はその場で口を開ける。


その口の中に、精霊さんは体を縮めて入った。


何回かなめ転がした後、僕は、ごっくんと呑み込んだ。


喉が少し膨らんで、精霊さんはお腹に向かう。


そして、精霊さんがお腹に入ったのがわかり…。


溜息をつく。


「お、おい、食っちまったのか?」


その問いに、僕はこう答える。


「大丈夫、消化とかしないし」


「そ、そうか」


精霊さんは胃袋の中から直接テレパシーで話しかけてくる。


「ありがとうございます。しばらくはここでゆっくりさせていただきますね」


僕も、とりあえずカフェでゆっくりすることにした。

16/08/27 17:48更新 / 猫缶
■作者メッセージ
今回はオリジナルキャラを出してみました。

この小説は、pixivにも投稿しています。

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b