目 次
火の鳥のご馳走 - 一匹の狐さん
「暑いわねぇ…」
夏の日差しが照りつける道を歩いていると、さすがのルフシャでも汗が噴き出してくる。
ほのおタイプだから暑くても大丈夫だからというと、必ずしもそうではないようだ。
「あぁ…日陰はないかしら」
日陰を探して彷徨い歩いていると、木の木陰を見つけた。
それもかなり大きな木陰で、ルフシャでも十分休めそうだ。
「助かった…」
彼女はうれしそうな様子で木陰に立ち寄る。
ふと、木の根元を見ると先ほどまでは気が付かなかったが、テールナーが寝そべっていた。
そのテールナーは見たところメスで、この場所が気に入ったらしく、寛いでいる。
「あなたは?」
ふと、メスのテールナーが起きて、ルフシャに問いかける。
「火の鳥…かな?」
なんとなく答えをぼやけさせて、そう答える。
「ふうん…そうなんだ」
テールナーの方は全く興味がないという風な口調で返すと、ルフシャの体を眺めている。
「あなた…名前は?名前はなんていうの?」
ルフシャが彼女に問いかけると、彼女の方は、
「皐月(さつき)っていうんだ、まぁ今後とも、よろしく」
さっぱりと自己紹介を終えた。
二匹の女の子は木陰にもたれかかり、楽しい話に花を咲かせた。
そうこうしているうちに夕方になってしまい、暑さも大分和らいできた。
「さて、そろそろ帰らなきゃね」
皐月がそういうや否や、ルフシャは
「ねぇねぇ、夜の道は危ないから、私が送って行ってあげるよ」
その言葉を聞いた皐月は
「良いよ、一人で帰るから」
そっけない態度をとる。
そのまま二匹の距離が遠ざかって行こうとする中、ルフシャはこういった。
「そんなに遠慮することはないじゃない♪ね、私といっしよに…」
「五月蠅いなぁ!そんなに誰かと帰りたいなら、適当に相手を見つけなよ!」
皐月は態度が一変し、烈火のごとく怒りだしてしまう。
「ふん!」
そのまま帰ろうとする皐月を、ルフシャがはねで優しく包み込むと、
「夜はだれに狙われるかわからないわよ?」
と、忠告でもするかのように耳元でささやく。
「う…分かったよ」
案外聞き分けがいい皐月は、ルフシャのお腹に抱き着く。
「じゃあ…お腹の中に入れて、家に送って…♪」
「うん…任せなさい♪」
すると、彼女はくちばしを大きく開け、皐月を咥え込むのであった…
前と期間が開いてしまいました…w
中々時間が取れなくて、夏休みに入り、やっと時間ができたので、書きましたw
[15/07/25 12:07 猫缶]
前のページへ
次のページへ