連載小説
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三人組が全校集会で連絡デスヨ!
日曜日の夕方。
「お姉ちゃんただいまー!なに読んでるの?」
「ああ、おかえり♪まあ・・・ちょっとなー」
夢予の所から帰って来た契をティラミスは何か紙を読みながらおかえりと伝える。
契が覗くとどうやら明日の全校集会での連絡のための物のようだ
「お姉ちゃん全校集会で前に出るの!?それって何かやらかした反省文?」
契がそう聞くとティラミスは不機嫌そうに
「・・・契?ウチ今日は契だけでお腹いっぱいになりそうかな〜?」
「ごめんなさい。許してください。」
土下座をして謝る契にティラミスは「よろしい」と言ってまた紙を読む。
「ご飯食べた後勉強してからお風呂入るね」
「あいよー。ウチ遅くなるから先寝ててね。」




月曜日。
キーンコーンカーンコーン・・・
「はい、以上。ついでにここテストにでるよー。」
ふぁぁ〜・・・っふ
少し寝不足だなぁ。いつもお姉ちゃんと一緒のベッドで寝てるんだけど昨日深夜までお姉ちゃんがベッドの上で明かり付けて読んでたから眠れなくて・・・
机に置いた腕に顔を埋めウトウトしていると急に放送が入る。
「2年C組 契さん。3年A組まで来てください。繰り返します・・・」
夢先輩の放送で僕が呼ばれるのは初めてだ。夢先輩の放送といえばだいたい職員室で怒られるという事が多いと聞く。
「おい契・・・なんかやらかしたのか?」
隣の席の友達が聞いてくる
「い、いやなんにもしてない。・・・と思うけど・・・とにかく行って来るね。」
待たせちゃ行けないと思い速足で3年A組に行く
「後で3年A組に骨拾いに行ってやるからなー!」



「・・・全校集会で獣人の事を言う!?」
「ちょっと!声が大きい!」
周りの目が一斉にこちらに向く。
3年A組に着くと夢先輩とお姉ちゃんがいた。怒られる訳ではなかった。
「校長に聞いたらよ。ウチと夢予以外に結構いるらしいんだよ、この学園に。」
「それで校長にね、「普通の人間にも分かってもらえるかな?」って聞いたら頷いてくれたから。今日言おうと思ったの。」
夢先輩の真剣な意思が伝わってくる。
「それにね。アリスみたいだけど・・・仲良くなりたいんだよね♪なんか、こう、生徒会長だとね。少し距離ができちゃって・・・。縮まればいいなぁって♪」
しかし、そう言う夢先輩の手は・・・震えていた。震える左手を右手で隠しているけどバレバレだ
「ほら、もうすぐ全校集会始まっちゃう!行こっ!」
そう行って教室を出ようとする夢先輩を
「先輩まって。」
呼び止め近づいて手を握る。
「!」
「キ、キスとかの方が良かったかも知れませんけどっ!これで震えが止まりましたか・・・?」
夢先輩はコクッと頷いた後に、僕の頭を撫でてくれた。そして一緒に手を繋いで全校集会に向かった。
(((うっわー・・・バカップル・・・)))
その場にいたクラスの人全員とティラミスはそう思った。


体育館内で集会が始まりどんどんと話が進んでいく。
「続いて大切なお知らせ。夢予さん、底羅さん、契さん。お願いします」
「「「はい」」」
僕と夢先輩は凄い緊張しながらステージに上がる。お姉ちゃんは欠伸しながらだるそうに上がってくる。途中、近くの先生にシャツ入れろとかスカート短いとか言われて周りでクスクスと笑いが起きる。
「皆さんこんにちは。今日は暖かい日差しが気持ちが良いですね!今眠い人手をあげてくださいー」
色々な所で手があがる。僕の隣でもあがっている。
夢先輩の全校集会での話は集会の雰囲気を少しだけ緩くしてくれる。緩くなりすぎる事はあまりなく、先生の間でも『全校集会の花』というあだ名がつく。
「ふふっ♪確かに眠いですね。それでも授業をちゃんと受けないと底羅さんみたいになるので注意してくださいね♪」
体育館内に笑いが起きる。お姉ちゃんが小さな声で
(後で覚えてろよ)
と言ったのが聞こえた。
「今日はアタシと底羅さんが珍しく真面目な話をするので聞いてください。底羅さん、どうぞ」
そういった後夢先輩は小さな声で
(ごめんなさい。許してください)
と聞こえた。
「えーっと・・・皆は動物をみたことがあるか?おっと、馬鹿にしてる訳じゃないんだよ。手をあげてみて」
全員手があがった。
「あ、おろさないで。その中で、獣人をみた事がある奴はいるか?あ、自分が獣人だって奴も手を挙げてくれ。」
3秒後ぐらいにゆっくりと手が挙がる。
「ほぅ・・・勇気がある。手を挙げた奴、ステージに上がってくれ。」
2人ステージに上がる。
『二人どちらも獣人だな、念話で合図したら獣に変化してくれ。』
頭の中に声が響く。僕と夢先輩にも念話を繋げているようだ。
「今ステージに上がっている契以外の奴は獣人だ。ウチも夢予も」
ザワザワと話し声が聞こえ出す。夢先輩が手を後ろに回して手を繋ごうとしてくる。怖いのだろう。ギュッと手を握りしめる。
「それでもよっ!お前らを傷つけたりはしない!約束する!それに種族違えばお互い助け合う事ができるんじゃねーか!?」
『今だ!変化した後は夢予に従え!』
スゥッと白く光だす。繋いでいた手も肉球の付いた手に変わっていく。
「・・・この姿が本物に見えない人は手を挙げてください。尻尾とか耳とか触って良いですよ。ただ、痛くしないでくださいよ?」
「誰かウチと組手でもすっか?負けないよー!」
そう言ってステージから降りて皆が座っている席に行く。怖がっている人もいたけど恐る恐る尻尾を触っているとすぐに恐怖が無くなったみたい。流石夢先輩の尻尾。あのモフモフ感は凄い。・・・お姉ちゃんの組手も凄い。このあとステージにいた二人も夢先輩とお姉ちゃんみたいに皆と話したりしていった。獣人の人もたくさん見つけた。
そしてステージに戻って姿を人間にする。
「怖いのは人間の人達だけではありません。アタシ達も受け入れられないのが怖い。だから今まで姿を明かせなかったんです。皆さんは、獣人のアタシ達と仲良くしてくれますか?」
シ〜ンとした後に拍手が小さく鳴っていき次第に大きく鳴っていく。
「ありがとうございます!仲良くなれる証拠はあります!だって・・・」
そういった後、夢先輩が僕の背中に手を回し、持ち上げて2.3回ぐるぐると回る。
「契君が初めて会って初めて獣人って事を知った時に「生徒会長が妖狐ってなんかビックリですね♪」って。怖がらなかった。嫌われなかった。嬉しかった。」
ポロポロと僕の肩に夢先輩の涙が落ちる。
「それと・・・。人間の皆さん。獣人の皆さんと仲良くして欲しいのですけど・・・その・・・。アタシとも仲良くして欲しいなぁー・・・なんて。生徒会長、友達、先輩。どういうのでも良いので話しかけてください!先生、時間を取ってごめんなさい。ありがとうございました」
そういって礼をする。拍手があったあとにステージを降りる。




「これでよかったん?校長。」
「助かったよ、ありがとう。アリスさん」
体育館の隅の方で拍手をしている校長の隣にアリス
「教員多すぎやないか?魔力で縛るんの苦労したんで?ホンマ。」
「気分で喋り方変わるの止めないのかい?」
「途中で全教員の口も魔力で縛ったんや、大変なんやから。てか、喋り方変わるんの230年間ずっとみてんのに今更変えろっていうか?フツー」
アリスがそう言いながら消えるのを見て、校長は全校集会の最後のためにステージに向かった。





「咲磨先輩!今日はありがとうございました。」
最初に手を挙げてくれた子が生徒会室に来てくれた。
「ううん♪あなたも凄いよ!勇気がいるよね、全校の前で手を挙げるの。」
「ぼ、ボク!今2年生なんですけど、来年生徒会長になります!咲磨先輩みたいになりたいです!」
ふむふむ。アタシみたいになりたいとなー。
「頑張ってね♪」
その子は元気よく返事をして生徒会室を出ていった。
ピロリンピロリン♪
アサシのケータイがなる。
「もしもし?あ、ティラミスか」
『今週の土日開けとけよ?ギルドマスターになるために魔術検定1級と武術検定2級受けにいくぞ』
「ギルドマスター!?どゆこと?」
『アリスが次のマスターはウチと夢予で決定って言ってる。』
「わ、分かったー」
ピッと電話を切るとフフッと自分でも分からない笑い。
「楽しいな♪」
そう思った
14/07/07 00:20更新 / イル
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