連載小説
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三人の本心(ティラミス)
今日は職業体験。水曜〜金曜までありその日によって行く場所は違う。行く場所は自分達で決める。・・・決めるんだけど・・・


「「おかえりなさいませにゃん♪」」
ここはメイド喫茶。店員・・・メイドは全員フリフリエプロンに身を包み頭にはカチューシャを着けている。・・・僕もその一人なんだけど
「先生・・・今から他のにす・・・」
「駄目ー」
あっさり断られちゃった。トレイを胸に抱えたままがっくり肩を落とす。
「たしかに露(ろう)と一緒に面白半分で第一希望に書きましたけど・・・あれ女子限定って言ってたんで後で注意されるだけで済むかと思ってたんですが」
露とは僕の隣の席の友達。まあ、露は・・・
「おかえりなさいませー!ご主人様♪」
とまあノリノリなんだけど・・・
「確かに女子だけとは書いたがなんとなく面白そうだったからな。お前ら顔可愛いし良いかなーってね♪」
女子三人に男子は僕と露の二人。僕以外の皆はかなり頑張って仕事をしているようだ。
カランカラン♪
扉が開いてお客様が入ってくる。今あの挨拶ができる人は居ない。皆注文を聞いたりで忙しそうだ。・・・
「おかえりなさ・・・っ!!!」
慌てて口を塞ぐ。なぜなら・・・
「あれ新しいメイド入ったのか?顔隠してる。恥ずかしがりやか?」
ティラミスお姉ちゃん!!なんでここに来てるの?
『ほれ契!さっさとお客様を席に連れていけ!』
先生が肘で僕の肩を突いて小声で指示をだす。バレる訳にはいかないので裏声で
「ご、ご主人様っ。御案内致しますー。」
カクカクとロボットみたいに歩く。
「どうぞ、こちらへ」
「おう、サンキュー。注文はオムライスで」
お姉ちゃんを窓のある景色の良いテーブルに案内した後、注文を聞いて逃げる様に先生のいる厨房前に行く。
「はい、オムライスとケチャップ」
「えっ!早っ!」
注文を言う前に先生が店長から渡されたオムライスを持っていた。
「あの人ここの常連らしくて毎度同じの頼むんだって。ハート描いてこい。お前はあの人に指名されてるんだってさ。良かったな♪」
意識が遠のく気がする。さっきまでトレイで顔を隠していたのに隠せないって事。バレたら何か言われて数週間それをネタにされる。夢先輩にもそれが知れたら・・・距離をおかれる。
「先生・・・あの人は僕を家に住まわせてくれている人で学校の先輩なんです・・・底羅先輩っていうんだけど」
「ああー!あれ底羅か!まあ、バレたら駄目なんだろう?厨房に来なさい。」
厨房の隅に行くと先生は自分のバッグからちいさな入れ物を出す
「店長から化粧道具貰ったんだ。動くなよ?全部新品だから安心しろ」
そういうと手際良くパパッと顔に色々と付けていく。


「・・・こんなもんか。昔は役者のメイクとかしてたんだぞ。」
「ええっ、凄い・・・」
鏡を見ると僕の顔は別人になっていた。つけまつげとかマスカラとか。・・・ついでに付け爪もしてくれた。




「お待たせいたしました。オムライスです。」
「いただきまーす!そこに座っときなよ。」
向かいの席に座る。何を話そう。
「こ、この店にはよく来るんですかっ?」
さっき常連だって聞いたばかりじゃないか!僕のバカ、バカッ!
「だいたい毎日来るなー。仕事の前とかに」
ふと時計を見ると午後4:30。仕事は多分ギルドでの事だよね。
あれ?でも・・・僕がいつも家に帰るのが6:00頃。いつも家に帰るとお姉ちゃんが出迎えてくれる・・・
早く食べ終えれたとして今の時間から考えると4:45?そこからギルドでの仕事が1時間?お姉ちゃんこの前討伐の以来1時間以上かかったって言ってたけど・・・
「あ、そうだ。ウチの弟さぁ!可愛いんだぜ♪血が繋がってないけど。1ヵ月前ぐらいから一緒に住むようになったんだ。」
僕の事を名も知らないメイドに言うんだ。これが僕だってわかったらビックリするんだろうなー
「しっかりしててさー、たまにドジなとこもあるんだけどそこがまた可愛いんだー。写メ見るか?」
「いえ、いいです。なんとなく知り合いな気がするんで。」
お姉ちゃんは「ちぇー。」と言いながらオムライスを食べる。そんなに弟自慢したいのかな?ちょっと照れるな・・・♪
「ほれ、口開けな。」
さっきから色々な事を考えていると急に口の中にオムライスを突っ込まれる。
「ふぇ!?あ、美味しい。ありがとうございます。」
ふふっ。とお姉ちゃんは笑うと
「この前な。弟とその彼女が喫茶店でパフェをあーんってしながら食べてたんだ。見てるだけで甘くて気持ち悪くなるぜ。」
見てたのっ!?どこから見てたんだろう
「・・・でもな。正直言って少しやってみたいとか思ったかも。ラブラブというか・・・お姉ちゃんに甘えてくれって感じかな。」
お姉ちゃん・・・
「ウチ家族居なくて独り暮らしだったんだ。だから世話焼いてくれる人いなくて。ったくよ。家族なんだから世話焼いてくれてもいいのになっ♪」
オムライスを食べ終わっても少し話が続く。
「弟さんは・・・そんな優しいお姉さんをもって嬉しいでしょうね♪羨ましいですよ」
アハハハッと ティラミスお姉ちゃんは笑い
「嬉しいこといってくれるじゃねぇか!いつものメイドよりも話が合うな♪」
「残念ながら僕は中学校の職業体験ですけどね」
「ほぉー。ウチの弟と同じ日なんだな♪」
「えぇ♪それではありがとうございました♪」
お辞儀をして先生の所に戻る。
「どうだった?」
「話が楽しかったです。それと明日違う所の職業体験ですけどメイクしてくれます?先輩に会うの苦手なんで」
先生はビックリしたようだがすぐに
「・・・気が向いたらな」
と言ってくれた。そのあと厨房から店長が出てきて。
「助かったよ。お疲れ様。」
と言ってくれた


案外メイド喫茶で働くのも悪くないかも・・・




「ただいまー」
6:00頃家に帰るとやっぱりティラミスお姉ちゃんが居た。
「お帰りー♪ご飯できてるぞー」
先に顔を綺麗に洗う。落ちやすい化粧だったのか直ぐに取れた。
椅子に座りご飯を食べ始める。
「ねぇお姉ちゃん。ギルドの仕事って何時間で終わるの?」
「んー・・・大体3時間?ギルドの依頼は魔界に行くんだけどな。ギルドの中と魔界は、この世界の時間よりも経過するのが遅いから。向こうで4.5時間居てもこっちでは2時間ぐらいしか経っていないんだ。便利だよな。」
これで納得した。いくらお姉ちゃんでも1時間じゃ依頼はできないと思ったらそういう事ね
「ね、ねえお姉ちゃん。口開けてー」
「ん?うぉっ!ビックリしたぁ」
「ゴメン、ビックリしちゃった?」
「いや、超嬉しい♪」
今日本心が聞けたお陰でどう思っているか分かった。もっと頼って欲しい、甘えて欲しい。そんな感じかなぁ?
「お姉ちゃん、これからは抱きついて寝ていい?お願い♪」
お姉ちゃんの体がプルプルと震えている。そして勢いよくとんできて
「大歓迎!♪いつでも抱きついて良いぞ!嬉しいな。どうしたんだ今日は、ウチの弟萌えスイッチ押しまくりだなぁ」
あ、お姉ちゃん鼻血が出してる。そんなに嬉しいのかな・・・
「よし!ちゃっちゃとお風呂入って寝よ!」

14/06/09 22:50更新 / イル
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■作者メッセージ
一回で3人分書こうと思ったんですけど。ティラミスで少し長くなってしまったのと、眠すぎて頭が働きません><次はアリスと夢予をまとめたいんですがねー

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