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ラプラスのサービス
(ん…眠くなってきた…)


僕とピカチュウは、ラプラスの背中の上でゆったりと海をわたっていた。


「フォッコ、なんだか目が眠そうよ?」


ピカチュウが僕の顔を覗き込んでくる。


(うん…眠たくて…)


今にも眠ってしまいそうな様子の僕に、ラプラスは、


「向こうに着くまではまだしばらくかかりますから、しばらく寝てもらってもいいですよ」


ラプラスは笑みを浮かべ、そう言った。


(それなら、しばらく眠ろうかな……)


「あ、私のお腹の中で寝てもらっても構いませんよ、もちろん、溶かしたりはしません」


ラプラスのその言葉に僕はぴくっと反応する。


前に僕たちはミロカロスさんに食べられてから、胃袋という空間が好きになった。


ピカチュウも、僕と一緒に胃袋で眠りたいらしい。


「うん、じゃあ、お願い!」


(お金は…払わなきゃダメかな…?)


あいにくと、今はお金を持っていない。


「いいえ、お金は取りませんよ」


僕の思っていたことに、心を見透かしたように答えてくれる。


僕の顔を見れば、大体思っていることはわかるのかな…。


「さて、そろそろ入りますか?」


僕達はうんと頷くと、ラプラスが更に聞いてくる。


「では、どちらの方から入りますか?」


僕達は顔を見合わせる。


べつにどっちからでもいいと思うけど、ここはピカチュウが先に…。


「ううん、フォッコが先でいいよ」


ピカチュウは優しい笑みを浮かべ、僕を優先してくれた。


(ありがと…)


僕は眠くてたまらない中、ラプラスの口を見る。


「こちらの方が先ですね、では、いただきます」


ラプラスの口が僕を食べようと迫ってくる。


僕はただそれをぼーっと眺めているだけでいい。


恐怖心もない。


はむっ。


僕の頭が咥え込まれる。


それにつられて、僕は自分から口の中に体を入れていく。


(んんっ…)


口内に入ると、温かい空気が僕を包み込む。


心地いい。


僕の眠気は更に増していく。


舌を触るととてもぷにぷにしていて、気持ちいい。


喉の奥はまだ見えないが、きっと気持ちいいと思う。


そして、ラプラスは首を上に上げる。


ごくんっ…。


あっさり僕は呑み込まれ、喉の膨らみに姿を変える。


喉の肉は僕を包んでもみほぐして、マッサージしてくれる。


思わず声が出てしまった。


そして、しばらくすると…。


大きな胃の中に、僕は落ちる。


数分も立たないうちに、僕は眠り込んでしまう。



………



「次は、貴方様ですね、胃袋の中にご案内いたします」


私は丁寧な態度でそのお客に声をかける。


そのお客は先ほど食べたフォッコさんの友達らしい。


「うん、お願いね」


私は先程と同じく、大きく口を開ける。


それをじっと見つめるピカチュウさん。


ゆっくりと、恐怖を与えないように頭をくわえ込む。


そもそも、入りたがっていたのだから恐怖はないと思うけど。


「んっ…」


すると、ピカチュウさんも先ほどと同じように自ら口内に入っていく。


私としては、少しびっくりしてしまうのでやめて欲しいが、我慢できないのであればしかたがないだろう。


ピカチュウさんは、私の口内を楽しんでくれているようだ。


少し舌を動かしたりすると、反応が帰ってくるので、嬉しい。


しばらくそうしていると、唾液が溜まってきたので、一緒に呑み込もうとする。


そして、私は首を上にあげて…。


ごっくん。


と呑み込んだ。


(ふぅ…)


私は引き続き、目的地に向かって泳ぎ始める。


私がつく頃には、お腹の中のフォッコさんたちも起きるだろう。


私は、引き続いて、海をゆっくりと泳いでいくことにした。

16/08/18 19:05更新 / 猫缶
■作者メッセージ
今回は、ラプラスのvoreです。

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