連載小説
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焼肉パーティ。
今日はティラミスお姉ちゃんがギルドの仕事で大儲けしたから焼肉。ティラミスお姉ちゃんは買い出し・・・だけどちょっと遅い。夢先輩もお姉ちゃんに誘われて来た。
ガチャッ・・・
「たでーまー!色々買ってきたぞー♪ピーマンと玉ねぎともやしと肉と肉と肉。それと・・・」
ガラガラといわせながら荷台を運ぶ。荷台の上には大きいプレゼント用の箱・・・に穴が空いたもの。
「これ運ぶのに時間がかかってな。今から二人に穴に手を突っ込んで中に何が入っているか当ててもらう。といっても夢予はすぐに当てちまうから契だけに聞く。」
まずは夢先輩が箱の穴に手を入れる。ニヤニヤとお姉ちゃんが笑っているのを見ながら夢先輩は手で中をかき混ぜる。
「・・・?」
中の物に当たったみたい。触れて目を閉じ確かめている。
「・・・!?あ、・・・」
中の物が反応を起こして何かしたようだ。ビックリした夢先輩が手を引き抜こうとした時に夢先輩はピンときたようだ。お姉ちゃんのようなニヤニヤとした顔になった
「ああ、なるほどねぇ♪はい!次は契君だよー!」
恐る恐る手を少し奥まで入れると簡単に触れた。なんだろうプニプニとした何か。鼓動を感じる。やはり生き物・・・その少し下は布?
ガブッ
「痛っ!か、噛みつきましたよ!?」
「よし♪そろそろ出てきていいぞ!」
そうお姉ちゃんが言うとカタカタと箱が動き出し
「ばあっ!元気アルかー?」
中から元気な僕よりも少し小さいぐらいの子供が出てきた
「やっぱりアリスね♪誰の手でも噛む癖でわかったよ♪」
「舐めとけば良かったかなー?あ、さっき「アル」っていったのは気分だよー?中華じゃないんだなー♪」
アリスと呼ばれた子は元気に夢先輩と手を繋いで喜んでいる。
「契。この人はキルメ・アリス。ウチが行っているギルドの受付嬢。まあギルドの図書館や風呂、厨房とか色々な事やってるけどな。ちなみにコイツの作った飯はマズイ。炭みたいな味がするアリスって呼び捨てしとけばいいぞ」
「契です!よ、よろしくお願いします!」
挨拶をするとフフフッと笑い
「そんな緊張しなくても♪タメ口でいいんだからね?」
「腹減ったー焼肉食おーぜー・・・」
ティラミスお姉ちゃんがさっさと話を切り上げろみたいな雰囲気出してるから僕はコンロを準備しに行った

「あの契君って男の子どうしたの?あっ、あなた・・・あまりの弟欲しさに誘拐したのかしら?」
「違・・・わなくもないな。だがちゃんと本人も来たいって行ったぞ。アイツ親いないから。」
ポンと手を打ち納得した顔で頷く。
「・・・昔から今までにすごく変わったねティーちゃん・・・」
「うっせ。あの頃とは違うさ。」


肉に赤みが無くなってきた。
「んじゃ、ま。乾杯といきますか!」
かんぱぁーい!とみんなでコンとコップを当て飲む。
「んーっ!あはーっ!人生この一杯の為に生きてますなぁ!じゃなきゃ受付嬢とかやってらんないよぉー♪」
「やかましい。普段やることなかったら寝てるくせして。仕事をしてるウチに言わせろその台詞。つかアンタ死んでるじゃん」
ギルドでいろんな仕事してるってさっき言ってたけど寝てるんだ。・・・んっ?死んでるって言った?
「美味しいよー!肉♪あ、契君。器にとってあげる」
「あっ、あのっ夢先輩?さっきお姉ちゃんがアリスさんの事を死んでるって・・・」
「あー。あの人の種族は一応、死神人。不老不死だよ。だからあの人アタシ達の何倍も生きてるよ。ちなみにじーっとアリスをじーっと見てると体が微妙に透けてるよ♪」
さっきからそこでワー、キャー騒いでる二人を微笑ましく眺めながら夢先輩は言う。
「あーっ、夢ちゃん私を年寄り呼ばわりしたなーっ!怒ったぞー!もうこれからは夢ちゃんがおみくじを引いたときは全部大凶になるーようにしてやるー!」
アリスさんの頬がほんのりと紅い。お姉ちゃんもだ。まさか!
「やっぱり・・・これカクテルだ・・・」
さっきコップにそそいだのはお姉ちゃんが買った缶ジュース。その缶ジュースの缶を見ると・・・アルコール5%と書いてあるカクテルだった。・・・5%だけど?
「おいアリス〜お前もやしみたいなんだからもやし食えよ〜ほれほれ」
「いやいや、こんなにもやしばっかりいらないよぉー。夢ちゃんと けー君あげる」
ほいっと山のように盛られた皿をこっちに持ってくる。ギルドの仕事で慣れているのか運び方が上手くもやし一つも落ちない。
「アリスも一緒に焼いたら旨そうだよな。死なないんだしウチの炎ブレスで焦げ目つけてやろうか?」
ドラゴンの姿になって息を溜める。というかお姉ちゃん火竜なのか。
「いやいやー私は骨ばっかりだからそこの女狐焼いたほうが美味しいよ♪」
アリスさんはとてとて歩いて夢先輩の後ろに隠れる。
「ええっ!?アタシ?肉付き悪いって。契君美味しいよー。でもやっぱりアリスかなー」
結局僕にも回ってきた。そして僕が言った言葉は・・・
「あっ、アリスさんの方が一口サイズだから食べやすいですよっ!」
ごめんなさいアリスさん。でもこうして僕は熱の胃袋を避けたのであった。しかし最後に回った人は・・・
「えぇぇっ!?私に戻ってきた!?やっぱりけー君がっ・・・ぁぅ駄目だったぁ・・・」
ベロォッとお姉ちゃんがアリスさんをゆっくりと舐める。
「熱!さすが火竜ー・・・これは胃袋ヤバいよね」
ネチュッと粘着質な音を出しアリスさんを舐め回す。
ギュッと綺麗なピンクの舌に巻き付けたり。歯でモキュモキュと噛んだりする。それを見物しながら僕と夢先輩はご飯と肉を食べる。たまに夢先輩が「あ、アリスが気を失った」とか言っている。最初は嘘かと思ったが本当に時々気を失っている。そしてお姉ちゃんがアリスさんを口に入れて40分程が経過した頃
「熱いぃ。なんか舌がネチョネチョして気持ちいいわぁ・・・服ベットリしてるけど。・・・あれ傾いてない?え?きゃあぁっ!?」
飲み込もうとしているのを察知したアリスさんは慌ててジタバタする。がジタバタすればするほど口の中より濃いピンクに沈んでいく。
もう喉の奥の方に沈んでいって足の先しか見えなくなったときにお姉ちゃんの手がその足の先を摘まんで出していく。
「・・・やっぱり気ィ失ってる。お腹の中に入れたときに抵抗してくれなきゃつまらないのに。」
そういいながらお姉ちゃんはアリスさんを風呂場に寝かせた。
「起きたら勝手にシャワー浴びるだろ。それより肉残ってる?」
「残ってるよー。アリス・・・じゃなかった。もやしもあるよ。アタシお腹いっぱいだから。今日親にティラミスの家に泊まるって行ってあるから。先にシャワー借りるね。お休みー」
そういってお風呂に行った。
「・・・夢予はあの死体(アリス)の顔に水かけて遊んでるだろ♪」
ゲラゲラと笑うお姉ちゃん。
「お姉ちゃんってよく笑ってるよね。そういうお姉ちゃん好きだよ。」
僕がそういうと箸を動かしながら
「んー・・・昔は、まあ、静かだったんだぞ?唯一話してたのは風呂場にいる死体だな。アイツはウチのことをだいたいなんでも知ってるんだ。・・・本当は皆アイツに敬語を使わなきゃならんがな。誰も使わんが。」
?歳上だからかな?
「アイツは魔界の幽哭城(ゆうこくじょう)のプリンセスだからな。城が面倒だから逃げてきたらしいが」
プリンセス!?あれが?見た目普通でボケーっとした感じのあの人が!?
「・・・すごい失礼な事考えてただろ。まあ、いいか。ウチの事じゃないし。そろそろ夢予が出るだろ。」
「契君ー!出たからお風呂入って。死体は気にしなくていいからねー!」
すごい。お姉ちゃんの予感的中。というか夢先輩結構早かったね。
この後僕はシャワーを浴びてすぐに寝た。









ギュッ!
「いたっ!・・・?」
右手を誰かに踏まれた。左手は夢先輩と手を繋いでいるため夢先輩には踏まれていない。
「あ、踏んじゃった。ゴメン起こしたね。」
アリスさんだ。月夜の光に照らされた海のような瞳が光っている。この部屋はベランダに近いためにアリスさんの髪が風でなびいている。
「いやー。シャワー浴びて暑いからベランダに出ようかなって」
「僕も一緒にいいですか?」
「どーぞー♪」
網戸を開け外に出るとサーッと涼しい風が全身を抜ける。
「・・・今日皆で焼肉したのね。昔のティーちゃんじゃありえなかったんだよ。友達と一緒にいることとかもね」
アリスさんが少し嬉しそうな顔をする。この話は僕が言葉を入れてはいけない気がした。
「ティーちゃんはね昔から親が居ないのは聞いたと思う。その時のティーちゃんは心のない・・・まるで人形のようだったよ。でもその後ねギルドの中で彼氏ができたの。クールだけどどこか子供みたいな所がある人。似ていたのは仕事の内容は面白ければそれでいい・・・ってとこだった」
今の優しくて笑顔のお姉ちゃんからは心が無いのは想像ができないなぁ。
そしてアリスさんは月を見上げて話を続ける。・・・その顔はとても辛そうに見えた。
「でも、ある時。依頼の標的と戦っていたの。相手は妖狐。色々な魔法や術を使ってきたの。そのときのティーちゃんの戦い方は敵を金縛りの魔法を使って動けなくしてドラゴンの片手で握り潰す・・・。妖狐の戦いでもこれを使って一匹握り潰した。でもね、ティーちゃんは術にかかっていたのをしらなかった。幻術よ。握り潰したのは・・・」
・・・もしかして握り潰したのって。まさか・・・
今まで月を見上げていたその青い瞳は動き・・・
「ティーちゃんの彼氏。」
青い瞳が僕を見つめ体が硬直する
「ティーちゃんは狂ったようにあちこちを燃やしたよ。妖狐を全滅させても止まらなかった。でもね、彼の最後の一言で我に帰ったんだよ」
その青い瞳が優しいものに変わる。アリスさんはすこし微笑んだ。
「「ゴメンね」って。最後の力を振り絞って。その言葉が無ければティーちゃんは死ぬまで色々な物を壊していたよ。今のティーちゃんが優しく明るいのはその彼氏が教えてくれた心なのかもね♪」
・・・知らなかった。昔そんなにも苦しかったなんて。なんで言ってくれなかったんだろう。
「でも、なんで妖狐は憎いはずなのに夢先輩と一緒に?」
アリスさんは腕を組み考える。そして少し経った後、
「分かんない☆」
という結果だった
「でも友達が居て安心したよ。よし!私は帰るね。明日起きたらティーちゃんに帰ったって伝えといて。」
アリスさんがフワッと宙に浮く。
「明日まで泊まらないんですか?」
「明日は満月。満月の日だけ私は普通の人間のように不死じゃなくなるから食べられでもしたら消化されてアウトだからね♪それじゃっ!」
と、ベランダから飛んでいった。






「・・・んん、おはよう契。今日は早起きだな。」
お姉ちゃんはまだ目がパッチリ開いていない目を擦りながら僕に言った
「そんな事無いよ。」



「・・・邪魔で歯が磨きにくいんだが。どうした?甘えっ子だな・・・♪」
洗面台の前で歯を磨いているお姉ちゃんにくっつく。なんと言われても今日は離れたくない。
「まさか・・・アリスが昔の事言ったとか?」
「うん・・・なんで、言ってくれなかったの?絶対辛かったよね」
ギュッと腕に抱きつく。
「辛いからっ…言えなかったんだよっ…。・・・悪ぃな…っ朝かっ…ら泣いちまって…」
すぐに顔を隠したから涙は見えなかったが。いつも黄色の目は少し赤かった。
「おはよう・・・ティラミス・・・朝食アタシが作るよ」
目の開いていない、だるそうな顔で夢先輩が起きてきた。
「ああ、よろしく」
「?鼻声?風邪引いたの?」
「なんでもないからさっさと作ってくれ!」
ティラミスお姉ちゃんは追い払うように夢先輩を台所に向かわせた。
「もう大丈夫だありがとうな契・・・。今日ギルドで依頼受けるついでにアリスを腹に収めてから行くかな♪」
「きょうは満月だからお手柔らかにね。」
ティラミスは僕の頭を撫でて台所に行った。
ティラミスお姉ちゃんは僕の大好きなお姉ちゃん
14/05/24 01:31更新 / イル
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