目 次
小さな村の小さな少年の物語 - たったひとつの希望
「・・・あっ!」

強烈な心地よさに危うく意識が飛びそうになったが、今ここでのんびりしている訳にはいかない。
意識が飛ぶギリギリのところで意識を必死に繋ぎ止める。

先程まで何もしゃべらずに、まるで良くできた人形かのように弄ばれていたフィーが突然声をあげたので少し驚いたのか、ドラゴンはピタリと舐めるのを止め、興味津々といった表情でフィーを眺めていた。
フィーもドラゴンを見つめる。

そして、ドラゴンに触れたときからずっと頭の中にあったひとつの考えを思いきってドラゴンへ向けて言ってみた。

「ねぇドラゴンさん!僕を、僕をこの外まで連れて行って!僕の村のみんなが大変なんだ・・・だから・・・!」

その考えは、まるではきだすかのようにフィーの口から発せられた。

ありきたりと言えばありきたりでまさに子供が考えるような発想だったが、今この状況においてフィーに考えられることはこれしかなかった。

フィーは少し顔を赤らめながら、ジッとドラゴンを見つめていると、ドラゴンは少し困ったような、何か考えているような顔をして、しばらく首をひねっていたが、そのうち何か思い出したかのように目を大きく見開くと、ゆっくりとその巨体を持ち上げた。

ずっとドラゴンを見守っていたフィーは思わずビクッとしたが、ドラゴンが立ち上がるのを見て、話が通じたのか、と、フィーはぱぁっと笑顔になった。
フィーの中で一筋の希望が輝く。

立ち上がったドラゴンは、もう一度フィーを見つめると、にっこりと微笑みかけた。

すると急にフィーの顔を持ち前の大きく柔らかい舌で舐めあげた。

虚を突かれたフィーは小さく、わっと声をあげるが、何かがおかしい。

ドラゴンの大きな舌で視界が真っ暗になったと思ったが、なぜか視界がもとに戻らない。

頭から膝裏にまでかけて妙な圧迫感があることに気づいて、ひとつの事実にようやく気づく。



  自分は今、食われている、と。


今自分はこのドラゴンに食われているという事実が、頭の中をぐるぐる周り、フィーはパニック状態に陥っていた。

 なんで、どうして、こんなはずじゃ・・・。

確かにこの考えは自分でも自信はなかった。

しかしそれはただ単に言葉が通じるかどうかの話で、まさか自分でもこのような事態になることなど、考えてもいなかった。

確かに、ドラゴンにとって人など単なる餌のようなものなのかも知れない。

しかしそれならここにきた瞬間、とっくにこのドラゴンの腹の中のはずだ。

あれこれ考えているうちに自分の体の下で舌が動き始めた。

舌はグチュグチュと音をたてながら器用に動き、少しずつフィーを味わいながら奥へ奥へと運んでいく。

たまにドラゴンの上顎の方に押し付けられたりして柔らかい舌に埋もれると同時に大量のドラゴンの唾液で溺れそうになった。

しかもドラゴンの唾液をたっぷり吸った服がフィーの体にへばりついているので、舌が動く度に直接体を舐められているような妙な感覚になり、フィーは度々小さな悲鳴をあげていた。

そしてついに少しだけ外に出ていた足もすっかり口の中に納められてしまっと、フィーも必死になって抵抗するが、この小さな体では強大なドラゴンの力に叶うはずもなく、あっさりと舌に押さえつけられて動けなくなってしまった。

フィーは必死の抵抗と舌の翻弄にすっかり体力を持っていかれ、もう指一本動かせなくなっていた。

フィーがおとなしくなったのを確認すると、ドラゴンは舌の動きを止めて、上を向き、ついにフィーを飲み込む体勢にはいった。

口内に急な傾斜ができ、その重力に従ってフィーの体も滑り落ちるように口の更なる深みへと進んでいった。

一瞬、大きな肉門がすぐ下で獲物を待ち構えるかのようにうずいているのが見えたが、体力を根こそぎ持っていかれた今、もはやフィーにはどうすることもできなかった。

「兄さん・・・みんな・・・ごめん・・な、さ・・い・・・」

      自分は無力だ。

    もうどうにもならない。
   もう自分では何もできない。

自分の無力さを実感したフィーは、ボロボロと大粒の涙をこぼしていた。

そんなフィーに構うことなく体はどんどん肉門へと進んでいく。

そしてそのまま待ち構えていた肉門にドチャッとぶつかり、先にぶつかった頭からズブズブと体が沈む。

そして小さな体はあっという間に飲み込まれ、最後にゴキュという音と共に喉の奥へと消えていった。

ドラゴンの首もとには若干の膨らみができ、止まることなく緩やかに、そのまま腹へと消えた。


フィーを飲み込んだドラゴンは、少し満足げな表情で、グルルッと唸ったあと、大きな翼を広げゆっくりと羽ばたかせ始めた。

回数を重ねるごとに少しずつ少し重くなったドラゴンの巨体が宙に浮かんでいく。

そしてフィーが落ちてきた穴を凄い勢いで昇っていった。



口内から窮屈な食道を通り、口内より広めの空間にたどり着いたフィーは大量の唾液と体液でまみれた状態で、ぐったりと横たわっていた。

すると、突然胃壁が動きだし、休む暇を与えることなくフィーを揉みほぐしだした。

ギリギリ繋がっていた意識を引き剥がさんとばかりに先程までとは比にならないような激しいマッサージをうけ、気力の限界を感じたフィーがついに意識を手放そうとしたその時、何か固いものがフィーの手に当たった。

それに気づいたフィーは最後の力を振り絞り、腕を名一杯伸ばした。

胃壁に埋もれそうになっているその何かをなんとかつかみとった、その瞬間、フィーの意識は途切れた。
お、お久しぶりぶりです(^^;)

この作品覚えてもらってるかだいぶ心配です。

しかもだいぶ長い間投稿してなかったのに、まさかこのタイミングで捕食描写書くことになるとはっ(汗
自分で予告しときながら全くの不覚ですっorz

今回は会話文(っていうかセリフ?)をかなり削って見たつもりです。
けどそれ以外の文長くて見辛い気がしてならんっ!んぇあ!(謎

次回はいつになるかははっきり言って分かりません!(オイ
けど、もう少し投稿のペースあげる努力はしていこうと思っております頑張ります。

         ハイ。

ということで、今回はこれにて!閲覧、ありがとうございました♪
[14/02/25 21:56 カイル]
前のページへ
次のページへ