連載小説
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ゴッドイーター
 雪に包まれたダムの廃墟に、一機の輸送ヘリが接近した。機体に描かれているのは国籍でなく、生化学企業『フェンリル』のロゴマークである。
 アラガミによって国家が崩壊した現在では、このフェンリルという企業が地球規模で人々を統治している。フェンリルはアラガミに対抗できる、アラガミと同じオラクル細胞を組み込んだ兵器、『神機』を開発した。その人工的に創り出されたアラガミを、得物として戦う事ができる数少ない人間は『ゴッドイーター』と呼ばれていた。ゴッドイーターの任務は、神機を使ってアラガミを討伐し、得られた素材を人類生存の糧として持ち帰る事である。

 ヘリから一人の少女が降り立った。彼女が携えている白い神機は、禍々しくも美しい狼を連想させる。刀身、銃身、装甲のパーツで構成されているその神機は、ゴッドイーターの間で標準となりつつある『第二世代型神機』と同じ型である。少女の容姿はブロンドのセミロングヘアに碧眼。あどけなさを残していない顔立ちには、落ち着いた雰囲気が漂っている。彼女はゴッドイーターの精鋭部隊『ブラッド』の隊長を務めていた。

・・・・

 ある冬の極東支部、私は単独でのアラガミ掃討任務の要請を受けた。どこの支部でもゴッドイーターは不足していて、今回の件も珍しい事ではない。もちろん単独任務は数的不利に陥りやすい危険性もあったが、今回のミッションは苦戦することもなく無事に終了した。ミッションだけでも相当の体力が必要になるが、神機の細かな調整、報告書の作成、作戦会議への出席など、帰投後もやることは多い。まずは入浴して身体を温めたい。そんな事を思いながらから、私は帰りのヘリに乗り込んだのであった。
16/12/09 00:25更新 / ズィーベン
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