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人食いクジラ

エヴァンゲリオン弐号機

INDEX

  • あらすじ
  • 01 大海
  • 02 次の獲物
  • 03 観察
  • 04 クジラの記事
  • 05 クジラとの戦い
  • 06 クジラの体内で…
  • 07 何処かの国の王女
  • 08 王女の行く先
  • 観察

    クジラは、その巨体を操り、海の中を泳いでいた。
    海の魚たちは、クジラを一目見ると、我先にと逃げていく。
    いつも通りの、退屈な日。
    「暇だな…そうだ、人間たちの様子でも観察してみるか」
    クジラはそういうと、水面に向かってぐんぐん進みだす。
    やがて、水面から顔を出したクジラは、辺りを見渡す。
    「さて…陸地は…向こうか」
    再び海に潜り、陸地のほうへ泳いでいく。
    クジラの顔は、陸地に近づいていくにつれ、だんだんと怪しい笑みに変わっていく。
    クジラの本来の目的は、獲物さがし。
    観察ついでに、旨そうな獲物を見つけようとしていた。
    「おっ…港町か」
    クジラは港町を水面から眺め、にやける。
    港町には、獲物がたくさん寄ってくるはず…。
    クジラは、そう思い、再び水面から顔を出す。
    そして、陸地に飛び移ろうとしたが…。
    「あーっ!人食いクジラだ!」
    若い新聞記者がクジラに駆け寄り、大騒ぎする。
    周りの人々は、騒然とし、新聞記者を眺める。
    「これは新聞のネタになるぞぉ…」
    早速何やらメモをし始め、じろじろクジラを見る。
    クジラは、唖然とし、捕食するタイミングを見失う。
    しばらくその状況が続き、クジラは、
    (このままでは何も進展しないな…)
    と、心の中でそう言い、新聞記者に飛びかかる。
    辺りにしぶきが舞い、新聞記者は、しりもちをついてクジラを見る。
    そして、陸地に降りたクジラは、新聞記者の頭を咥え込んだ。
    「や、やめてくれぇ!」
    足をばたつかせ、必死に抵抗する獲物を、クジラは軽く甘噛みし、口内に落とし込む。
    その後、すぐさま海に戻り、口内にいる新聞記者を、肉厚な舌でなめる。
    唾液は、新聞記者の体にまとわりつき、だんだんと身動きが取れなくなってくる。
    「ぐぅぅ…」
    身体が重くなり、上手く立てない新聞記者を、クジラは唾液と一緒に、喉に流し込む。
    そして、その後。
    ゴクリッ…と鈍い音が響き、クジラの喉には小さな膨らみができる。
    食道の中では、肉壁に揉まれながら下降する、新聞記者がいる。
    記者は、すぐに胃に落ち、クジラはそれを感じ取り、腹を撫でる。
    「うぅ…僕は…呑み込まれたのか…」
    胃袋の中でそう呟くと、胃壁にもたれかかる。
    胃壁は怪しく蠢き、腹に落ちた獲物を歓迎しているようだった。
    しばらくすると、胃壁と胃壁の感覚が狭まってきた。
    どうやら、そろそろ消化が始まるようだ。
    「うぅ…吐き出してくれよぉ…死んでしまったら記事が書けないじゃないかぁ…」
    その声は、クジラに届かず、クジラは悠々と海の中を泳ぎまわっていた…。

    13/11/16 11:19 エヴァンゲリオン弐号機   

    ■作者メッセージ
    次回は、記者の消化を書いていこうと思いますw