連載小説
[TOP] [目次]
友への問
数日後、アイツの『さようなら』というメールで俺はいても立ってもいられなくなり、俺は廃校舎へバイクを飛ばした。廃校舎に着くと、例の教室へ向かった。

その教室にはアサルトライフルを持った特殊部隊が数人いた。そいつらとアイツはスペイン語で話していた。

「¡Esperen!(待て!)」
アイツに教わったスペイン語で奴らに呼びかけた。
「来ちゃダメだ、タクミ!」
その瞬間、パンッという乾いた音と共にアイツが体勢を崩した。
「ゾロアーク!」
奴の右肩から出血していた。
「¡Mátenlo!(奴を殺せ!)」
司令官と思しき男がそう命令した。俺はアイツの前に立った。
「タクミ、ダメだよ。」
「俺はお前のダチだ。守って何が悪い。」
俺は自分が使った拳銃を拾い構えた。
「Si quieren matar este, mátenme primero.(コイツを殺したいなら、まず俺を殺せ。)」
奴らは戸惑っていたが、司令官が拳銃を構え引き金を引いた。
咄嗟に目を瞑ったが、痛みを感じなかった。そして、俺をきつく抱きしめていた奴の腕が緩んだ。起きあがろうとした時、首筋にチクリと痛みを感じ、気づけば病院のベッド上だった。

しばらくして俺は退院したが、アイツの居場所は分からなかった。どの看護師に訊いても、搬送時は俺だけが廃校舎に倒れていたと言うばかりで、大学ではそんなゾロアークは知らないと言っていた。さらに、ニュースではヒーローが誰だったのか明らかにすることなく忘れ去られて行った。

アイツと一緒に撮った写真を見て、俺はただ涙を流すことしか出来なかった。
どうして俺を庇ったんだ…

この問いかけに、アイツは何て答えただろうか…
21/04/02 22:37更新 / Haru & José(Pepe) & Javier
戻る 次へ

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b