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決着

*流血描写に注意

アレハンドロはライフルを連射モードに切り替えた。

パスン、パスンと消音器の銃声を掻き消す音とともにアレハンドロは走り出し、消火用の水で濡れた床に滑り込んだ。ギラティナの下をくぐり抜け、尻尾の先に立つと3つのピンを投げ捨てると持っていた防火シートに身を包み蹲った。
「降参か?」

次の瞬間、ギラティナの腹の下の手榴弾が鼓膜を破く程の爆音とともに爆発した。ギラティナの身体はバラバラになっていた。

「哀れな奴だ。」
防火シートを脱ぎ捨てた。


倒れた兵隊から予備のマガジンを回収し、手榴弾を手に入れるとユーリを探しに歩き出した。
「見つけた。ふふふ、ギラティナを殺すなんて…」
壁の角からラティアスが姿を現した。
「弟さん、とても活きが良くて美味しかったわよ。」
「そうかい…女の子に手は出したくないが、仇は取らせてもらう。」
「出来るかしら?私、水浴びしたから活き活きしてるわ。」

アレハンドロは隣の実験室に酸素ボンベがあるのに気がついた。そして、ラティアスに向けていたライフルをボンベの方へ向け、引き金を引いた。
途端に手榴弾と同じくらいの音を立ててボンベが爆発し、炎がラティアスを包み衝撃波が彼女を吹き飛ばした。

ライフルを捨てると拳銃を構え、ユーリを探した。


とある部屋に着くと、ホルヘと一緒にいるユーリがいた。
「なるほど、すり替わっていたのか。」
「息子を返せ。話はその後だ。」
「分かってないな。」
ユーリはホルヘに銃を突きつけていた。
ズタン
煙が上がっていたのはアレハンドロの持っていた拳銃の銃口からだった。そして、ユーリの白衣の右腕部分が紅く染まっていき、握っていた拳銃は床に落ちていた。
「拾おうとすれば、今度は頭を撃ち抜くぞ。息子を返せ。」
ホルヘはアレハンドロに抱きついた。
「もう怖くないぞ。パパがついてるからな。」

アレハンドロはユーリの拳銃を奪うと、彼の前にしゃがみ込んだ。
「俺を狙った理由は何だ?」
「君を研究しながら、最強のポケモンを作ってたんだ。正確に言えば、君と戦わせながらね。」
「何のためにだ?」
「そのポケモンを使っての世界を手中に収めるため…」
「あいにく、中途半端だったな。凶暴化した奴らでも銃と正確さには敵わない。」

その部屋の壁にはマジックミラーのような部分があった。
その壁の向こうは凶暴化したポケモンたちの檻だった。

「それだけ聞ければ充分だ。」
アレハンドロが息子を連れてその部屋を出ようとしていたとき、ユーリは落ちていた自分の銃を拾った。
「甘かったな!」
カチ
引き金を引いても弾は出なかった。
防弾ガラスの部屋の外に出た後、アレハンドロは手に持ったものをユーリに見せつけた。
「甘かったな。」
それはユーリの拳銃のマガジンだった。

いくら防弾ガラスといっても限界があった。
血の匂いを嗅いだその獰猛なポケモンたちはガラスを破壊し始め、ついにその部屋に入ってきた。
「やめろぉ!」
最初に部屋に入った赤い眼のゾロアークがユーリの喉元に喰らい付き、次々と凶暴化し飢えたポケモンがユーリを貪り始めた。



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