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囚われた兵士 |
ぐじょっという音とともにアレハンドロは吐き出された。
着ていた服はボロボロになり、穴が空いていた。 「酷い臭いだ。洗って服を着せてやれ。」 アレハンドロは抵抗しようとしたが、テーザーガンで撃たれ気絶させられてしまった。 数時間後、アレハンドロは白い部屋で目を覚ました。その時、彼の体は包帯を巻かれ激痛が走った。 すると扉が開き、何人かの男が入って来た。 「これがお前のガウンだ。着ろ。」 アレハンドロは白いガウンを着て男たちと廊下に出た。 「なぁ、携帯電話持ってるか?息子に電話したい。」 「必要ねぇよ。」 入ったのは実験室だった。 そこにはアレハンドロの息子のホルヘと弟のレオナルドがいた。レオナルドは手錠をつけられ、顔中に痣ができていた。 レオナルドの横には背の高い白衣の男がいて、アレハンドロが実験室に入ると彼の方へ歩いて来た。 「どうも、私はユーリ…科学者だ。君のことは隅から隅まで調べさせてもらった。イラクに2度派遣されてるな。それに勲章も。海兵隊ではかなりのエリートじゃないか。今ではSWATに所属…」 「何をした?」 アレハンドロはレオナルドと目の前の男を見て言った。 「君の弟は少々気が強い。だからこちらも少しばかり手荒な手を使わせてもらったよ。だが、安心してくれ。子供にはまだ何もしていないさ。」 「パパ…」 ホルヘは今にも泣き出しそうな顔で父親を見ていた。 「大丈夫だ。痛い事はさせない。すぐ帰れるからな。」 「ふはは。出来ない約束はするものじゃない。君には、ある事をやってもらう。」 「何だ?」 「殺し合いだよ。」 「断ったら?」 「そうだなぁ…」 そう言ってリザードンとラティアスの方を見た。 「お腹空いているか?」 「ええ、とっても。」 「ああ、このガキを食ってもいいのか?」 ユーリはニヤリと笑みを浮かべると、再びアレハンドロとホルヘたちを見た。 「だそうだ。とすると君に拒否権はあるかな?」 「誰を殺せばいい?」 「殺すのは人間じゃない…」 そう言って、ユーリはアレハンドロをガラス貼りの部屋に押し入れた。 |
20/09/25 23:46 Haru & José(Pepe) & Javier
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