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メキシコへ

翌朝、時間ぴったりにケイレブたちは集まった。
「久しぶりにこのメンバーか。」

その空港跡地のガレージの扉が開くと、そこには2台の軍のハンビーがあった。
「いいか、俺たちはこれから傭兵としてメキシコに行く。」
「マフィア狩りか?」
「似たようなもんだ。」
「何をどうしたらハンビー2台になったんだよ?」
「道すがら語ってやるよ。」

彼らはある人物を待っていた。

すると1機の輸送機が目の前の滑走路に着陸し、中からスーツ姿の男が降りてきた。
「よう、チャーチ。」
「ハワード、そいつらがお前の仲間たちか?」
「そうだ。」
「気に入った。ハンビーを乗せろ。」

機内でユウキとケイレブは話していた。
「チャーチって…」
「場所にちなんで…奴自身がそう名乗った。ハンビーが2台になったのは、カルメンの家族を殺した奴らが相当なマフィアだからだ。それに、そいつらの一味はアメリカへの麻薬密輸の大部分を占めているんだ。だから奴は俺たちを傭兵として雇った。メキシコでそいつらの首を吊すためにな。」
「じゃ、チャーチは……CIAなのか?」
「その通りだ。」

輸送機はテキサス州のメキシコとの国境に位置する市の空港に着陸した。
「ここからは陸路だ。メキシコ警察の援護は必要かか?」
「いや、必要ない。」


ケイレブたちはハンビーに乗り込むと、国境ゲートへと向かった。
カルメンが運転する横でケイレブは額に汗をかきながら外を確認、後部座席にはティアが座っていた。また、ユウキが運転するハンビーには助手席にコウタが座り、後部座席にフローゼルが外を警戒しながら座っていた。

国境ゲート付近はかなり渋滞していた。
「左に注意して…」
ティアの目配せした先には2台の黒いSUVが渋滞にはまりのろのろと進んでいた。その時、その車の中に乗っている男のうちの1人がこちらに目を向け隣の男に何かを話した。
「気づいたか。」
ケイレブとティアは銃に弾が入っているのを確認すると、降りて外に出た。
「フローゼル、ここにいてくれ。」
するとユウキとコウタも外へ出た。するとその車からも何人かが降りてきた。体の至るところに入れ墨のある男は拳銃を構えていた。
「¡Espera, espera!(待て、待て!) ¡Tira la pistola!(銃を捨てろ!) ¿Quieren morir?(死にたいのか?)」
ケイレブはスペイン語で彼らを脅した。
しかし、その男は威嚇しケイレブに銃を向けると引き金に手をかけた。
途端にケイレブたちのライフルがけたたましい音を立てて弾丸を発射し、目の前の男と車内の全員が射殺された。
「行くぞ。」
ケイレブたちがハンビーに戻ろうとしたその時、ハンビーの方から銃声が聞こえた。ケイレブとユウキが慌てて戻るとそこには武装した敵のうちの1人が、ハンビーの横で頭を撃ち抜かれて倒れていた。
「大丈夫か?」
「コンマ3秒の差だったわ。」
見ると助手席に穴が開いていた。
「腕上げたね、フローゼル。」
「そうね、おかげでカルメンを救えたわ。」
「進もう。」

国境を越え、開けた場所にハンビーを止め少し休憩を取った。
「運転替わるわよ、カルメン。」
「ありがとう、ティア。」

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