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3日目

3日目
アラモアナやTギャラリアショッピングや散策を楽しんで、ホテルに戻った。割と重い荷物を降ろし、肩回しをした。
「姉さんに頼まれた化粧品は買ったし…後は、ドンキホーテでチョコレートでも買って行けばいいか。」
「ウォールマートとドンキホーテってどっちがお土産が安いのかしら?」
「どっちもどっちなような気がするんだよなぁ。」
「ウォールマートの方がいいんじゃねーか?バクはどう思う?」
「俺もウォールマートだな。」
「じゃ、決まりだね。ウォールマート行きのトロリーがあと15分後にクヒオ通りに来るから出るよ。」
トロリーでウォールマートに向かっているときバクは僕の方を見ていた。
「何?」
「そういえば、ハワイに来てまだ1回も…お前を食べてないな。」
僕は背筋が寒くなるのを感じた。
「日本に帰るまで食べなくていいよ。」
「それは無いぞ。今ここで食っちまうって手もあるんだぜ。」
「今、君ケンジだから。人間だから!」
「へへへ、ホテルに戻ったら覚悟しておけよ。」


お土産を買い、ホテルに戻った。ある程度の物をスーツケースにしまうと計画表及び買い物リストにチェックを入れた。
すると、バクが目の前の椅子に悪魔の姿で座った。僕は手元にあったパンフレットを開き、目を通した。
「………おい…無視するなよぉ〜…」
「…え?構って欲しかったの?」
「ち、違うっ…」
バクの顔は赤くなっていた。
「なぁ…食べてもいいだろ、お前のこと…?」
その目は半ば泣きそうになっていた。
「…いいよ。それと…変な演技しないで。」


バクはニヤリと微笑み、大きな舌で僕の顔を舐めた。
「うぇっ…」
生臭い唾液が糸を引き、熱い吐息が吹きかけられる。僕はビクッと震えてしまった。
「どうした?日が空いて感覚が鈍ったか?それにしても可愛いな。」
「明日の射撃は楽しみにしていてね…」
「そんな事言ってると、舌でくすぐっちまうぞ?」
ベロリ、ベロリ…
「あははは…やめてぇ…」
しばらくしてバクは大きく口を開けて僕を呑み込んだ。やっぱり胃袋の中は狭いけど、何故か落ち着く。



数時間後、僕が目覚めたのはバスタブの中だった。
「よぉ、目が覚めたか?長湯しすぎるとのぼせるぞ。」
「ほら、バスタオルと寝巻きはここに置いておくからな。」
「ありがとう…」
バクに食べられたにもかかわらず、体からはいつもの石鹸の香りがしていた。
「もしかして…洗ってくれたの?」
「何だ?顔が真っ赤だぞ?…」
パシッ
僕は軽くバクの顔をビンタした。恥ずかしさのあまり大人の対応がまともに取れなかった。

銀色の月が天高く登り、夜のワイキキを優しく照らす綺麗な夜の写真を撮ると、僕はベッドに横になった。すると、隣が沈み込んだ。バクは僕の方に顔を向けるとあくびをした。
「せっかくのハワイの夜だ。今日だけは食わないで一緒に寝てやろう。」
「ありがとう。」
バクは僕の方に身体を近づけて僕もバクの方に体を近づけた。今日のバクは僕と同じ石鹸の香りがした。
「いい匂い…」
「あら、ハルと同じ石鹸を使ったのね。」
ユキもそれに気づいていたようだった。やがて、ユキも僕に身体を近づけて抱きしめた。そのまま、深い眠りへと落ちていった。







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