連載小説
[TOP] [目次]
1
とある森の奥にある小さな湖。ある日のこと、謎の卵が産み落とされた。

この湖の水はとても綺麗で森に住むポケモンが時々水を求めて現れるが誰にもその存在に気づく者はおらず、卵は湖の底で誕生の時を待っていた。

それから数週間が経った。
森に住んでいる1匹のガーディが水を飲みに湖へやってきた。
おいしい水を飲んでいる時、湖の中で何かが動いている事に気が付き水の中を覗いてみると何やら青い鰻のような生き物が泳いでいた。

ガーディはたまにこの湖を訪れるが水の中にポケモンがいることなど今まで1度も見たことがなかった。

ガーディは帰り際にその鰻のようなポケモンが飢えないようにと、赤い木の実を湖に投げ入れた。

ガーディは木の実をあげにそれからは毎日のように湖を訪れるようになった。

そんなある日、ガーディがまたいつものように水を飲んでいた時、足元がふらついて湖に落ちてしまった。
「誰か助けて!」と大声で叫ぼうにも大の苦手である水の中に落ちてしまい声が出ない。
そうするうちにガーディは溺れてしまい意識を失ってしまった。


ガーディの意識が戻った時にはなぜか陸にあげられていて目の前には毎日様子を見ていた鰻のようなポケモンがいた。

「気がついた?僕はミニリュウ。いつも木の実をありがとね。」と言うと突然全身ずぶ濡れの弱ったガーディに巻き付いた。
この時ガーディは何が起こったのかまったく理解していなかった。

「いつも木の実をくれるのはとってもうれしかったんだけど、なんでだろう。君を助けた時から木の実よりも君を食べたくなって仕方がないんだ」
少しずつ体力が戻ってきてようやくガーディは今起こっている事を理解した。

(…早く逃げないとこのミニリュウって子に食べられてしまう…!)

「誰か助けて!!」
全力で叫び全身に力を入れて脱出を図ろうとしたがミニリュウが全身をきつく締め上げて全く身動きがとれなかった。

そしてついにその時は訪れてしまった。

「毎日木の実を僕にくれたのにごめんね。いただきます。」
大きく開いたミニリュウの口がガーディに迫り、そして頭がすっぽり口の中に入る。

ミニリュウの口の中は今まで食べていた甘い木の実のようなフルーティな要素は一切ない、嫌な臭いがする。そしてガーディはその臭いよだれのにおいでむせ返り、もがく。

しかしミニリュウは飲み込むことをやめず、ついにガーディを1匹丸呑みにしてしまった。

木の実を食べた時より大きく膨れたお腹の中でガーディがしばらく動いていたがしばらくすると再び意識を失い動かなくなる。

「ごちそうさまでした。」

そう言うとミニリュウは重たいお腹を引きずって湖の底に戻り眠りについた。

毎日木の実をくれたガーディはミニリュウの胃袋で少しずつとろけていき、翌朝にはお腹の膨らみが小さくなっていた。

そしてその翌日

「とってもおいしかったよ。ガーディくん、ありがとう」
ミニリュウは長いお腹を通り過ぎて変わり果てた姿となったガーディを赤い実がなる木の根元に埋めた。
それは可愛らしい子犬だった姿からは想像できないような、強い臭いのする泥団子のような塊になっていた。
20/11/02 01:31更新 / ぶーすたー
戻る 次へ

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35b