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火の鳥のご馳走 - 可愛い被食者
「んん…昨日は食べすぎたかなぁ…?」
彼女の名はルフシャ…ファイヤーである。
最近お腹が少したるんでいる気がするのは、おそらく餌の食べすぎである。
前にも可愛いからという理由だけでイーブイを食しているが、その後吐き出してあげたらしい。
それとは別に生きるために獲物を食べることが多いうえ、運動も碌にしないので、余分な脂肪ばかりが少しずつついてきている。
一念発起して頑張るという気は彼女にはないのだろうか。
それはさておき、いま彼女がいる場所は、高山の一角である。
夏でもさほど暑くはならず、冬でもそこまで冷え込まない、暮らしやすい場所だ。
そんな場所の条件も相まってますます運動をしたがらないのであろう。
「ま、いいか…それより、可愛い子はいないかな?」
羽を使ってふわっと飛んでみるが、高くて下をのぞいてみてもわからない。
「探しにいこっと…♪」
これが毎日の日課であり、彼女にとっての遊びである。
そう時間がたたぬうちに広い草原に降り立つ。
ここは人間の手が入っていないようで、草がのびのび育っている。
空気はかなり澄んでいて、何一つ濁ったところはない。
「ふふ、どこかにいないかな…♪」
ルフシャはわくわくしながら可愛らしいポケモンを探しに出かけた。
すると…
さっそく目的の可愛いポケモンが姿を現す。
そのポケモンとは、クルマユのことで、この広い平原で何かをしている。
「ねぇねぇ…何してるの?」
「わひゃあっ!」
突然話しかけられて驚いたのか、思いっきり飛び上がってしまう。
「おっと…危ないなぁ…」
すとんっ、とクルマユを受け止め、顔をしかめる彼女。
「ご、ごめんなさい…って、あなたは…」
目を丸くして、矢継ぎ早に話を進める。
「ふ、ファイヤーさんじゃないですか?あぁ、やっぱりそうだよね…」
気分が高揚したクルマユは顔を真っ赤にしながら、ニコリと笑みを浮かべる。
「うん、私はファイヤーだけど…どうかした?」
「会いたかったんですよっ!あなたのその凛々しい姿を目に焼き付けておきたくて…げほっ!」
その言葉を言い終わらないかのうちにクルマユは咳き込む、風邪でも引いたのだろうか?
「だ、大丈夫…?熱があるみたいだけど…」
「い、いえ、このぐらい何とも…ごほっ」
その様子を見かねたルフシャは、フフッと笑みを浮かべると、くちばしを大きく開ける。
「え、ファイヤーさん…何を…」
堅そうなくちばしに咥えこまれてしまい、クルマユは恐怖を感じる。
(大丈夫だよ、あなたの病気はすぐによくなるから…)
うすぼんやりとした声がクルマユの心に響く。
その一言で不思議と体のこわばりは解け、身を任せてもいいと感じた。
そのまま口内に収められてしまうと、少し熱っぽくはあるが温かい空間が待ち受けていた。
ゆっくりと舌でなめられ、クルマユの体はベトベトになるものの、心はだんだんと落ち着いていく。
「ふ、ファイヤーさん…」
(何も言わなくてもいい…今は今のことだけを考えなさい)
女神のような言葉とともに口内に傾斜が付き、クルマユは喉の奥に滑り落ちていく。
その後…ゴクリ…という鈍い音とともに、クルマユの姿は口内から消えた。
久しぶりの投稿になりますw
学校が忙しくて、なかなか書けそうにないですが、頑張りますw[15/06/16 03:26 猫缶]
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