連載小説
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迫り来る恐怖
「……どういう……こと?」
僕は思わずそう聞いた。奴の言葉がにわかに信じられないからだ。

「理解するのが遅いやつだのぅ。晩飯になれと言われたらそのままの意味だろう?」

そう言われ、僕は恐怖のどん底に落とされた
今、奴にとっては目の前にいる僕はただの食べ物でしかないという事になるのだ

勝負を引き受けた時にはまさかこんなことになるなんて思ってなかった。そう考えた途端、多くの後悔が巡った。

僕は悔しさのあまり奴を睨みつけた。これでも精一杯の威嚇だ

当然だが、この程度では奴を追い払うことなんてできなかった。
奴はというと、威嚇をする僕をニヤリと笑って見ている。悔しくて仕方がない。そう考えていたその途端

「わっ!?」

奴は、浮いている僕を尻尾で地面に叩き落とし、恐怖で頭が真っ白になっている僕を同じように尻尾で自分の傍に引き寄せたのである

そして、冷たい鱗の感触を感じたその途端、僕は奴のとぐろに捕まってしまった

「ククク……捕まえた♪」

そのひと言に悪寒が走ったその途端、蛇が獲物を弱らせる為に行う行為、締め付けが始まったのだ。


「うわあああぁぁぁ!!!」

僕の体は激痛に襲われた。その苦しさに、呼吸もままならなくなり、動くこともできない。それどころか、奴の鱗の感覚に恐怖心を植え付けられ、僕はどうすることもできなくなってしまった

「苦……しい……っあ……」
僕は苦しさから、頭が真っ白になって余計に何も考えれなくなり、ただ自分の体力がなくなるのを待つだけだった

そしてその様子を、奴はニタニタと邪悪な笑みを浮かべながら見ていた

(もう……だめだ……絞め殺される……)

そう思い、覚悟したその時

締め付けが少しなら動けるくらいに弱まったのだ。

「あれっ……まだ生きてる……?」
しかし、死を免れて安心したのもつかの間だった。

まだこの苦しみは、序の口にしか過ぎないからだ

「食われたくないのなら、もっと抵抗しろ。そしたら少し考えてやろう」

奴は冷酷な目つきでそう言った。
奴にとってはつまらない獲物だからなのか、僕にチャンスを与えたのだ。

その言葉を聞き、僕は少し希望の光が見えた気がした。上手くいけば食べられなくて済む。
そう思うが早いか、僕は狂ったように抵抗した。
しかし、抵抗は全く効かなかった。
さっきよりも締め付けが弱いとはいえ、奴のとぐろは全くと言っていいほどびくともしない。
僕の力は、奴の力には一歩も及ばないのだ


「やだああああああぁぁぁ!!!」

僕は悔しさと惨めな気持ちから、そう叫んだ。
叫んだと言っても、苦しさから声はかすれていた
それと同時に、奴は僕にトドメを刺そうと締めつけを強くしていった。
ミシミシと骨の軋む音が聞こえ、恐怖と苦しさに、涙が頬を伝っていた。

「ほんの数分前まで調子に乗っていたくせにもう抵抗できないのか?所詮強がってるだけの弱い妖怪だのぅ♪」

奴の嘲笑う声が聞こえた。こんな状況じゃなければとても悔しいことだっただろう。
だが、今はそんなことを考える状況じゃなかった。この後どうなるのかと考えてしまうと怖くて仕方が無いのだ

「まだ抵抗……できる……だから……やめ……て……」
僕は食べられたくない一心で弱々しくそう答えた
14/12/25 01:42更新 / みぞれ
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■作者メッセージ
メリークリスマス!私からのプレゼントは小説の更新ですっ♪

蛇の捕食者の締め付け良いですよね。萌えます(*´ω`*)

結局絵は次のページに貼ることになりましたー!

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