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8日後〜

*流血描写を含むため注意を願いたい


8日後

ミシェルの体には次から次へと異変が起きていた。
息子のとなりに座ってラップトップでどんなレポートを書いているのかを見ていた。
「母さん……歯磨きした?……なんか、ラザロの口の中みたいな臭いがする……」
ラザロとはエミリオが所有しているガーディのことだった。
「え、本当に?」
不思議なことにラザロがミシェルと距離を置くようになったのである。


ミシェルがキッチンで夕食の準備をしていても、ラザロはキッチンに近づこうとはしなかった。
「どうした?ラザロ……具合でも悪いのか?」
ラザロは首を横に振った。
まるでミシェルを怖がっているようだった。


ミシェルがシャワーを浴びているとき足や腕、背中に何かを感じた。
「うぶ毛⁉…………ずっと前に処理したのに……」
体毛が僅かに濃くなっていたのだ。


10日後
ミシェルは歯磨き中に口の中に鋭いものを見つけた。
それは抜けた奥歯の部分にあった。
「何かしらこれ…………牙……?」
歯を磨いたにもかかわらず、再度息子に口臭を指摘された。

この時、ウィスコンシン州に非常事態宣言が発令された。
『現在、ウィスコンシン州一帯に非常事態宣言が発令されています。外出は控え、凶暴化したポケモンとの接触にご注意下さい。万が一接触してしまった場合には警察や軍にご相談下さい。彼らによる咬傷、引っ掻き傷から感染し彼らのように凶暴化する恐れてがあります。また、彼らを見かけても絶対に近づかないで下さい。見かけたら巡回中の警察官または軍隊へご連絡下さい。』

この放送の後、ミシェルは蒼ざめた。

エミリオは庭でガーディとフリスビーで遊んでいた。
すぐ家のそばの通りでは軍用車や軍人が武装して巡回していた。
「なんか、怖いね……」
すると、銃声と兵隊の悲鳴が聞こえた。エミリオはそっと柵の間から外を見てみた。
凶暴化し、涎を垂らしているガブリアスが次々と軍人たちを襲っていた。兵隊たちは引き金を引く間もなく喰らい付かれ、内臓を引きずり出されてしまう。

やがて、乾いた銃声の後通りは静かになった。

その光景をもろに見てしまったエミリオは急いで家の中に入り便器の元へと走った。
おえっ
「か、感染者だ…………怖すぎだろ⁉」
「どうしたの、エミリオ⁉……大丈夫?」
そこにミシェルが駆けつけた。
「さっき、外でラザロと遊んでいたら感染者を見たんだ。」
「咬まれたりしてない?」
「してないよ。大体柵の外には出てないし。」

エミリオはその夜ずっと眠れずにいた。
外からは軍用車の走る音や銃声が聞こえてきていた。
「お前も怖いのか?」
ラザロが布団の中に入ってきた。
「一緒に寝よう。」
エミリオは布団を頭から被った。

翌朝
ミシェルは起き上がると、朝食を作りにキッチンへ向かった。冷蔵庫からソーセージを取り出そうとしたとき、気になる臭いがするものがあった。
それは生の鶏肉だった。
とても美味しそうなにおい……
ミシェルは生のままそれにかぶりついてしまった。
今のミシェルにとって生肉は絶好の食べ物だったのだ。





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