連載小説
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ニュース
〈語り手:コウタ〉

(昨夜、カナダのバンクーバーにある研究所で、大規模な殺害事件が起きた模様です。当時研究所内にいた研究員、または特殊部隊の全員の死亡が確認されています。)

カナダかぁ
僕が酷い目にあったのはオタワだったなぁと思いながらニュースを見ていた。
そこにフローゼルが起きてきた。
「おはよう、コウタ。ティアは?」
「まだ寝てるよ。ユウキは?」
「カナダの友達とチャットしてるわ。」
フローゼルはティーカップに紅茶を注ぎ、ホッと一息ついていた。
すると、2階から階段を駆け下りる音が聞こえた。
リビングのドアが勢いよく開いて、ユウキが飛び込んできた。
「コウタ、核ミサイルがぶち込まれるくらい恐ろしいことだが、聞いてくれ。バンクーバーのニュース見ただろう。あの研究所に入れられているのが逃げ出したそうだ。何が逃げ出したと思う?あのクソ医者レシラムだ…オタワの研究所でやり合った奴だよ…」
「嘘でしょ…」
「いや、本当だ。ただ逃げ出しただけならいいが…」
「あいつ、絶対僕たちのこと恨んでるよ。」
「もしものことを考えると、ここにいるのは手の込んだ自殺だ。」
いつの間にかティアが起きて来ていた。
「とりあえず2人とも、紅茶でも飲んで落ち着いたら?」
紅茶…か…
待てよ、イギリス人を装うことは出来ないかな?
そんなことを考えているとトントンとユウキに肩を叩かれた。
「俺と同じこと考えてるか?イギリス人になりすまし計画だろ?」
「当たり。」
イギリス人になるにはどうしたらいいのかな…
イギリス訛りを勉強する?
4人で話し合っていると、母さんが起きてきた。
「ふぁ〜…おはようみんな。随分早いじゃない?」
「レシラムはあのニュース見てないの?」
「ニュースって?」
「ほら、バンクーバーの研究所のニュースよ。」
「すっかり爆睡だったわ。」
「コウタがオタワで酷い目にあった話で、悪いレシラムのこと覚えてる?」
「ええ、もちろんよ……まさか…脱獄したの?」
「そうよ。そこで、考えたんだけど、みんなでイギリス人を装うの…」
「良い考えね。でも、どうやって?」
「今考えてるわ。」
「母さん、学校にイギリスから来た先生いない?」
「いるにはいるけど、あなたは嫌いかもしれないわ。」
「まさか…アルセウス先生…?」
「彼女しかいないわ。」
実際、僕は彼女のことがどうしても好きになれないのだ。
でも、こればかりは仕方がない。ずっと拒絶してきたアルセウス先生を受け入れよう。







17/10/03 00:53更新 / Haru & José(Pepe) & Javier
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