連載小説
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白い悪魔
〈過度なグロに注意〉

僕の血を舐めた彼女は少し考えて…ニヤリと笑った。
その顔が僕の一切の動きを止めた。
「こんなこと予想外だったけど、姿や訛りで誤魔化せても匂いや血液まで誤魔化すことは出来ないわ…ねぇ、コウタくん……」
「僕はまだ死にたくないんです…お願いします…僕はあなたが自分より若い人を殺すほど愚かではないことを願っています。」
すると、そこに母さんがやってきた。リアーナ(ティア)とクリス(ユウキ)も連れて。
「直ぐにこの町をお去なさい。そして、2度と見えることがないように。」
「あなたが、コウタくんのお母様?どおりで…だから、レシラムの遺伝子を持っているのね。」

「Fire .」
グシャ
ケイレブが狙撃して、モーガン先生の身体に大きな穴を開けた。
「そんなことしても無駄なのは分かってるでしょう。」
穴は塞がっていき、何事もなかったかのように立っている。
〜〜〜〜
「嘘だろ…」
ズドン ズドン ズドン……
ケイレブは空になるまで撃った。
先生の首は無くなり、肩も吹き飛んで……まさに、地獄だった。
けれども、5秒もすれば元どおりに戻ってしまう。
「Damn it!」

〜〜〜〜
「今度はこっちよ。」
彼女はレシラムヘと姿を変えた。
僕はテーブルの下のサブマシンガンをとった。
「今のうちに確認しておきたい。あなたは僕を殺す気か?」
「もちろん。」
「僕はあなたのことを殺そうなんて思っていない。ただ、自分の身の危険を感じたら一応の防御はする。」
「あなたが私にしたことは許せないのよ。」
そこに、ユウキが出てきた。
「おい、コウタが何したってんだ?」
「あなたたちもそうだけど、私から何もかも奪ったからよ。」
「僕は何もしてない!」
「何もしてない…か…私はね、あの後医師免許を剥奪され全ての利益を失って、研究所へ送られた。どうなったと思う?……実験材料になったのよ!」
「僕もそうさ!あなたの実験材料だったじゃないか!」
「私の手元にはもう何もない。全部あなたが悪いのよ!あの時、私の言うことを聞いていてさえすれば…」
悪いレシラムは鋭い爪を僕目掛けて振り下ろした。
ガキンッ
僕は怖くて目を瞑ってしまったけど、金属同士が擦れ合う音が聞こえた。
爪とユウキの日本刀がぶつかっていた。
爪はポロリと切れて落ちた。
「この日本刀、一味違うだろう?」
ユウキはジャンプして翼に日本刀を振り下ろした。
片方の翼がボトリと床に落ちた。
さらに、片方の足も切断され、そのレシラムは見るからに重傷だった。
そこにm4を持ったティアがマガジン2本分、60発を撃ち込んだ。
僕はこの隙に母さんを地下のシェルターに連れていった。
「ここでお別れなんてイヤよ。」
「僕もだよ。でも、アイツを止めないと…」
「約束してちょうだい。必ず生きて戻ってくるって…」
僕は母さんを抱きしめ、母さんも強く僕を抱きしめた。

戻ると、2箇所に血だまりが出来ていた。
また、ティアの姿が無くなっていた。隣には、刀に掴まり、立ち上がろうとしているユウキの姿があった。片足が無くなり、手の指が数本千切れていた。
「アイツ……ティアを喰いやがった……逃げろ、コウタ…はや……」
グシャ
一瞬だった。
そのレシラムが一口でユウキを頬張ったのだ。
意地悪げに喉を鳴らして呑み込んだ。
ホルスターから銃を抜いた。
「もう…やめてよ!」
僕は叫んだ。そこにはレシラムではなくあの医者が立っていた。
「恥ずかしいと思わないのか?自分より若い子供を大の大人が殺すって、ましてや自分の成功を失ったくらいで!どっちが子供だよ。」
「黙りなさい!」
「他にも道はあったはずだ!なのに…どうして!」
「黙れって言ってるのが聞こえないの⁉」
「こんなことしなくたって、話し合って解決するのが大人だろ!」
「うるさい!」
ガシッ
彼女は僕の首を絞めた。
「は…な…せ…」
「あの研究は私の命より重いものだった。でも、あなたが逃げたせいで何もかも水の泡になってしまった。死ぬ前に教えてあげる。あの研究は不死身の兵士をつくるための軍事技術の開発だった。成功すれば数億ドルが舞い込むはずだったのよ。」
僕は全く息を吸うことが出来なかった。
ただ苦しみに悶え、涙を流すことしか出来なかった。
「もう何も言い残すことはないかしら?」
「……」
「ただ殺しても面白くないわ……私、まだお腹が空いているのよ…食べてもいいわよね?」
地面を這って逃げようとした。
グシャ
「うふふ…逃げようとしても無駄よ……」
激痛の走る右足を見ると……日本刀が突き刺さりカーペットに刺さっていた。
日本刀を抜くと、僕の腕を掴んだ。
「いただきます。」
ガブリ
彼女は人間の姿のまま僕に食らいついた。
一旦引き剥がし、銃で撃ったが全く効果は無かった。
立ち上がって逃げようとしたが、激痛で倒れてしまう。
すると、足掴んで先程の傷に勢いよく食らいつき、咀嚼する。
さらに、日本刀を僕の腹部に当てて横にすっと切った。
流れ出る血を舐めていく。
腹部に顔を埋め、肉を咀嚼していく。
顔を上げた彼女の口から臓器がはみ出していた。
僕はあまりの痛みに動くことが出来ず、袖を喰いしめるだけだった。
こんな思いをするのなら、自分で頭を撃ち抜く方がずっといい…出来ればの話だが。
「美味しいわ。」
「Прекрати!(やめろ!)」

力も絶え絶えになった僕の目に映ったのは赤黒い牙に無数の糸を引く唾液のレシラムの大きな口の中だった。
ごくん

次に目を覚ましたのは胃の中だった。
そこは既に酸っぱい匂いが充満していた。
「今度こそ…ここで……死んじゃうのかな?」

せめて…これが最後の抵抗でもいい……
僕は手榴弾のピンを抜いて胃壁の溝に押し込んだ。
まばゆい光と爆風を感じ、目を開けるともとの応接間だった。
さらに、僕の右肩から下が無くなっていた。
「大丈夫か?」
ユウキの手を借りて立った。
その手の中にはボールがあった。
「最後の手段だ。」
僕はそのボールを襲いかかってこようとしている彼女に向いて投げた。
彼女はすんなりとボールに入った。
「どうすれば良い?」
「セメントで固めて海に沈めたら?」
ティアの抱えているバケツの中には液状のセメントがあった。

次の日、そのセメント固めのボールを大西洋沖に沈めた。

その後、変更もあったが、楽しい日常を過ごすことが出来るようになった。
変更といえば…
「ティア…その車どうしたの?」
「このランボルギーニのこと?」
「そうよ。」
「知り合いの医者にもらったのよ。大西洋沖に旅するからいらないって言ってね。」
「いいなぁ。私も乗りたいなぁ。どうせ彼氏とデートのときしか乗らないんでしょう。」
「まあね。」







17/10/26 07:05更新 / Haru & José(Pepe) & Javier
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