読切小説
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THE STARVATION
ショックを与える描写や流血描写、消化描写を含むため注意を願いたい。



ズダンッ
「使えないポケモンなど要らん!」


私のマスター……いや、目の前の人間は私を縛り付けていたボールを拳銃で撃ち壊した。すると、私の彼との記憶はすぐに消え去った。

目の前の人間は依然として私に銃を向けている。
「お前なんか要らない!何処か行ってしまえ!」
ズダンッ ズダンッ
威嚇のつもりなのだろうか、私のすぐ近くの地面に弾を撃ち込んだ。

…もう、知らない人間なのだから攻撃しても構わない……

私の放った蔓はその男の銃を弾き、もう一方の蔓で彼の首を絞めた。
そのまま私を太い胴を彼に巻き付け、きつく、きつく、締め上げていく。
人間の身体は脆いものよ……
至る所から骨の折れる音が聞こえる。
男は声にならない悲鳴をあげ、必死にもがいていた。
……なんて滑稽なのかしら……

首にも胴を這わし、締め付けた。
目が真っ赤になり、顔が赤くなっていく。眼球が飛び出しそうになって、だんだん、顔が白くなり血の気を失っていく。
「や……め…………」
人間は動かなくなり、鼓動が止まった。

…人間…その意味を還元していくと、生き物…つまり……肉……
私はまだ微かに暖かい“肉”に舌を這わせた。
…今まで味わったことのない味…美味しい…
どんどん唾液が分泌されていく……
もう、我慢できない……
それを頬張り、少し歯を立て、流れ出る鉄の味もたまらない。

その人間を食べ終えると満足感が込み上げてきて、自然と笑いが出てしまう。

人間は敵、そして……食べ物だ……

その人間のスマホを頼りに家に向かった。
家に着く頃には男は完全に消化されているようだった。
写真には、食べた男の腰から下くらいの背の高さの子供が笑って写っていた。
私は舌舐めずりしてしまった。

ドアにスマホを翳すとガチャっという音がしてドアが開いた。
すると、私の“食事”が走ってやってきた。
「おかえり!ジャローダ!パパは?」
パパ?あぁ…そうだった。さっき食べた男はこの子供たちの父親か……
「買い物よ。」
私は溢れそうな唾液を飲み込んで、上の子に言った。
「ねぇ、ジャローダ、なんかいつもより大きくない?」
下の子が、変化に気づいたようだ。
「うふふ、“お昼ごはん”をいっぱい食べちゃったのよ。」

壁には《子供たちにお昼寝させるのを忘れないこと》と書かれていた。
…ふふふ、ちょうどいいわ……
私はまたもや舌舐めずりをしてしまった。
下の子を先に寝かせ、上の子のベッドへ向かった。上の子にブランケットをかけて、子守唄を歌って聞かせる。
時折、その子の頬をペロリと舐める。
「くすぐったいよ!」
やがて、その子が深い眠りに落ちた。枕元には〔5歳の誕生日おめでとう〕と書かれた誕生日カードがあった。

さてと、“お楽しみ”の始まり……
目の前の…“食事”の首に両方の蔓を巻き付けて脛骨を外し、頬張る。さっきの人間とは違って甘みがある。
…あと1人。楽しみだわ……

下の子のベッドへ行き、すぐにその身体に私の太い胴を巻き付けた。
「…ん……ジャローダ……?何やってるの?」
起きてしまった。
「パパとニックのところへ連れていってあげるわ。」
「本当?」
ハァ、ハァ……
「ん…臭いよ…」
試しに息を吐きかけてみると、厭な顔をされてしまった。
そんなに臭いのかしら?
「…ぼくを…食べるの?」
「わかっちゃったかぁ。その通りよ。」
「いやだっ……はなして!……はなしてよぉ!」
4歳の人間の抵抗が私に効くわけがない。
「パパに言いつけるよ!」
笑わせてくれる子だこと……
「パパとお兄ちゃんは、私が食べちゃったの………あなたも美味しそうだから、食べたいわ。べつに問題ないわよね?」
その子は泣いてしまった。
だが、私には関係ない。
密室である故外に声が漏れることもない。
人間が駆けつけたとしても、結果は簡単だ。

その子の頭を口に入れて、舐めます。口の中に私の舌が入ってしまおうが、唾液が入ってしまおうが関係ない。ただ、少し緩めた締め付けの中で抵抗を見せるのが楽しい。
口の中にその子をすっぽりと収め、歯を立てる。これもたまらない。
柔らかな肉。
そこから流れ出る鉄の味…
何ていい子なのだろう……
味が薄くなってきた。
仕方ないわ。
ごくん……

次の日
コンコン……
「こんにちはー!コリンズさーん!」

ふふふ……いらっしゃい……

あと何人食べれるかしら……



18/09/20 11:35更新 / Haru & José(Pepe) & Javier

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