連載小説
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ハザード
ハザード(災害)は今にも起こりうる状況だった。
例の医者は真っ白な毛皮のコートに身を包み、白のランボルギーニに乗り国境を越えた。


表情を緩ませ、満足気に車のスピードを上げていき、純白な悪魔はゆっくりと目的との距離を縮めていった。
「アメリカに入ってしまえばこっちのものよ。」
彼女は得意気に微笑み、地図にマーキングしていく。
少年を攫った手下の話を基に、少年の学校を目印に正確に居場所を割り出していく。
「この町ね…やっと見つけたわ。覚悟しなさい…」

町ではコウタやユウキは遠くへ引っ越したという設定で、シティーセンターや住民が全員仕掛け人となり、もうこの町にはその2人はいないということを吹き込まれた。
そのかわり、新たにイギリスから移住した者がいるということを刷り込まれた。
学校でも、ティア、ユウキそしてコウタの3人は転校し、転校生が入るということになっていた。

もちろん、彼らのことを知っているのは先生たちだけだった。

〈マット・カーライル(コウタ)目線〉
緊張感に包まれた1日だった。
クラスでは、上品過ぎるとか聞き取れないとか言われてしまったけど、こうでもしないと、きっと命はない。
バスを待っていると、2ブロック先に見慣れない高級車が止まっていた。

もう、この町にいる……

フロントガラスやウインドウはスモークガラスで中は見えないようになってた。
バスに乗り込み、家に向かうがそのランボルギーニはバスの後を一定の距離を置いて尾行していた。

家に着くと門の前に色々と荷物が届いていた。
みんなで分担して、中に運んだ。
幸いにも、“テロのエキスパート”にはバスを降りるところも家に入るところも見られていない。
周辺に住んでいる先生たちと連絡を取り合いながら、降りかかるハザードを出来る限り避けようとしていた。

届いた物はas50スナイパーライフル、ケース単位の7.62mm弾、5.56mm弾、12.7mm弾、そして50口径弾と45口径弾。他にはないかと探すと、ある刀が出てきた。
「クリス(ユウキ)、この刀は?」
「太平洋戦争で俺の曾祖父さんが使った軍刀だ。曾祖母さんに形見として送ってもらった。錆びているところもあるが、研げばまだ使える。」
カチャっと金属の音を立てて鞘に納めた。

クリスはバンギラス先生を呼んだ。
「先生、早速ですが、この日本刀を研いで頂けますか?」
「喜んで」
クリスとバンギラス先生が刀を直している間、僕とリアーナ(ティア)は銃をいたるところに見えないようにセットした;テーブルの下とか、本棚の裏とか…

日本刀が元の輝きを取り戻し、舞っている紙を切るほどになるころには夜になっていた。
「これくらいなら、俺の身体をも突き通せる。結構やるだろう?」
「Couldn’t be better !(最高です!)」







17/10/05 20:27更新 / Haru & José(Pepe) & Javier
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■作者メッセージ
解説
Couldn’t be better!→(直訳)これ以上良くできるだろうか、いや、できない。
                             →良くないはずがない。この上ない。
という意味がある。

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