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悲劇

機内警備の男が外からトイレのドアを開けるとそこには地獄のような光景が広がっていた。さっき入った女性のものと思われる下半身と血塗れの洗面台、そして鏡の破片が飛び散っていた。
「何てことだ⁉」
男は無線でケイレブたちに応援を送った。
「緊急事態発生だ!直ちに警戒!」
ケイレブとゲッコウガはホルスターから銃を抜いてエコノミークラスに向かった。

「CAが殺されてる……」
「下の奴らがトチったんだ。」

貨物室では黒い大きな何かが死体を平らげた。
「足りんなぁ…」
不機嫌そうにコンテナを殴った。コンテナは大きく凹んだ。
ポタっと何かが怪物の肩にかかった。
怪物はそれを拭って舐めた。
「上だな…」

怪物は光の差し込む穴を見つけると、もっと大きく切っていった。

「ん?…何だ?あの床の動き…」
ゲッコウガは銃をそちらに向けた。
ズダンッ
機内では悲鳴が上がった。

「上の奴らはまあまあ優秀ってわけか…」
怪物は手のひらからゲッコウガの撃った9mmの銃弾を抜いた。

「皆さま、落ち着いてください!」
CAは涙ながらに乗客に呼びかけていた。
「おい、マクギー…奴は……嘘だろ⁈」
血溜まりとなったトイレの洗面台にベレッタの握られた腕が転がっていた。
ケイレブはそのベレッタを取り、1度マガジンを抜いて弾が入っているか確認して戻した。
「下から上がってきたってことか…」
割れた鏡の穴の中で無いかが動いた。
ズダン ズダン ズダン……
“それ”の正体はオーダイルだった。
オーダイルは自重でトイレに落ちてきた。
「念のためだ…」
ズダン…
ケイレブはオーダイルの頭に撃ち込んだ。

「おい、おっさん!」
「どうした?うわっ!何だこりゃ⁉」
「オーダイルだよな?……デカくないか?」
「ああ……こりゃ、何だ?」
ゲッコウガはオーダイルの首元に目をやった。
そこには銃創と何かがあった。
「俺が撃ったやつか?」
「違う。…こいつはシリアルナンバーだ。」

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