連載小説
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回想
 時間が経つにつれて私は衰弱していく。すでに手足の感覚は失われ、心臓も寒さで握り潰されかけている。もはや頭の中は死の事でいっぱいになりかけていた。ゴッドイーターでありながら、もうアラガミを恐れる事もなく、美しい星空と月の下でロボに見守られながら、心穏やかに息絶えるのだろうか…。「お父さん…。お母さん…。ブラッド…。極東のみんな…。ロボ…。」

 …ゆらっ…こつん。意識を失いかけた私はロボに倒れかかった。その瞬間、アラガミだったロボと私たちブラッドの戦い、神機となったロボと私が歩んできた、今日までの記憶が鮮明に蘇った。

 アラガミの『マルドゥーク』だったロボと初めて出会った際、追い詰められた自分は『血の力』に目醒めた。ロボに敗れたロミオの敵討ちを目指す過程で、残されたブラッドは絆を深めた。そしてロミオの敵討ちを果たし、ロボはアラガミから神機へと姿を変えた。私は神機となったロボと共に数々の戦いを乗り越え、気弱だった性格は徐々に変わっていった。そしてロボは今、必死に耐え続ける私の傍にずっといてくれている。

 …ばたっ…。回想が終わったと同時に倒れつつも、少しだけ目を醒ました。「…今まで…ありがとう…ロボ…。」まだ命が保っている間にと、私はロボを抱き寄せ、愛を込めた口付けをした。
16/12/09 00:27更新 / ズィーベン
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